
アレキシサイミア(失感情症)
英語
Alexithymia
アレキシサイミア(失感情症)は、感情を認識し、理解し、表現することが困難な心理的特性のことです。アレキシサイミアと鍼灸のツボまで詳しく解説
もくじ
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アレキシサイミアとは
アレキシサイミア(失感情症)は、感情を認識し、理解し、表現することが困難な心理的特性のことです。
語源はギリシャ語で「感情を言葉にする能力がない」という意味です。
病名ではなく心理的な特徴を表す言葉です。
20才前後の方だけでなく、中学生や高校生の思春期にも多いといわれています。

アレキシサイミアの症状(特徴)
感情の認識が困難
自分が何を感じているのか把握できない。「悲しみ」や「怒り」などの感情がわからない。
感情の表現が困難
他者に自分の感情を言葉で表現するのが難しい。身体的感覚と感情の混同
感情的なストレスを身体的な不調として感じることが多い。不安を「胃の痛み」、緊張を「背中の痛み」などとして処理しがち。
空想や想像力の欠如
現実的な考え方をする傾向があり、想像力が乏しい。対人関係の困難
共感が薄く、他人の感情を理解することが難しい。人関係で誤解や摩擦が生じやすい傾向がある。

アレキシサイミアの原因
ストレスや生活環境、遺伝などが挙げられます。
まじめで責任感の強い人、几帳面で神経質な人などが性格の特性です。
気づかないうちにストレスをため込んでしまうことも要因です。
生物学的要因
脳の構造や機能の異常。脳の扁桃体や前頭前皮質の感情処理に関連する領域の機能不全。
心理的要因
幼少期のトラウマや感情的な抑圧。感情表現が抑制される家庭環境。
社会的要因
独特な文化や戦争など感情表現の不健全な社会的要因。アレキシサイミアと関連する疾患
うつ病
不安障害
心身症
自閉スペクトラム(ASD)
心的外傷後ストレス障害(PTSD)
など
アレキシサイミアの治療や対応
心理療法
認知行動療法(感情認識や表現の練習)感情中心療法(感情に焦点を当てる)
マインドフルネス・瞑想・坐禅
自分の感情や身体感覚に注目する教育
心理学など感情についての知識を学び、言語化するスキルを向上させる。
アレキシサイミアで使用する経絡・経穴(ツボ)の例
鍼灸や指圧治療として
百会
肺兪
中脘
膻中
など
※市販の「お灸」をする時の参考としても使用できます。

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参考文献
アレキシサイミア: 感情制御の障害と精神・身体疾患
グレアム J.テイラー (著), 秋本 倫子 (翻訳)
星和書店
1998/7/1発売
関連外部リンク
Alexithymia - PMC
National Institutes of Health (NIH) (.gov)
Editorial: “No Words for Feelings, Yet!” Exploring Alexithymia, Disorder of Affect Regulation, and the “Mind-Body” Connection
National Institutes of Health (NIH) (.gov)
Alexithymia in Neurological Disease: A Review
Psychiatry Online