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百会(ひゃくえ) |
「百の経絡が帰る場所。天地人をつなぐ、あなたの真の中心」
英語
Governor Vessel(GV)20
Bai Hui(Hundred Convergences)
百会(ひゃくえ)
奇経 督脈20
The Du Meridian (Dumaixue)
百会
ひゃくえ
hyakue
取穴部位
前髪際を入ること5寸の正中線上。両耳の先端を結ぶラインと、頭頂部の正中線が交差する点。
頭のてっぺん、宇宙とつながる門のような場所。頭蓋に触れると、わずかな圧の違いが感じ取れる。
筋肉
帽状腱膜
運動神経
(直接の運動支配はなし)
知覚神経
大後頭神経、眼窩上神経、耳介側頭神経(複数の神経が交錯)
血管
眼窩上動脈、浅側頭動脈、後頭動脈
主治
- 頭痛、めまい、脳ののぼせ・重だるさ
- 不眠症、神経過敏、情緒の乱れ
- 痔、脱肛、子宮下垂など“下に落ちたもの”を引き上げる作用
- 自律神経のアンバランス、鬱的傾向、気虚・気鬱両方の調整
名前の由来(独自解釈)
「百」は“あらゆる・無数の”を意味し、「会」は“集まる”という意味を持つ。 つまり「百会」とは、**百の経絡、百の氣、百の意識がここに集まる中心点**である。 物理的には督脈と膀胱経などの陽経が交わり、精神的には**「天と人と地をつなぐ一点」**とされる。 意識が拡散しがちな現代人にとって、ここは**全感覚を“今ここ”に集め直すための道標**でもある。
中医学的意義
- 陽の氣の最も高く集まる場所=「陽の極点」
- 気を引き上げ、経絡のバランスを整える「天地の接点」
- 精神・意識・気の乱れを一つにまとめ、中心に還す作用
象徴的意味(スピリチュアルも含む)
- 「宇宙意識と肉体の通信塔」:クラウンチャクラに対応
- 外界の情報、霊的感受性、直感など“上位の情報”を受信する場所
- 肉体に宿る“魂”を、この一点で地上に統合する働きを持つ
臨床応用
- 氣が沈みすぎて元気が出ないとき、軽く百会を刺激すると氣が上がる
- 思考が拡散しすぎて落ち着かないとき、呼吸とともに百会を意識することで氣が収束
- 自律神経失調、不眠、うつ、パニックなど「氣の高低差」が極端な場合の調整に最適
セルフケア・活用法
- 椅子に座り、背筋を伸ばし、百会に意識を集めて呼吸を整える
- 自分で軽く指の腹で百会を円を描くように撫でる(左右4回ずつ)
- 気が沈んだときは「百会から天とつながる」イメージで深呼吸
補足:なぜ現代人に必要か?
情報過多と感覚過敏が交錯する現代社会において、**「中心を失うこと」は最大の不調の原因**。 百会は「肉体・感情・精神」の全情報を一つに結ぶ“魂のセンター”であり、 この場所に意識を戻すことは、自分自身を再統合する第一歩でもある。 スマホや情報に振り回される時代だからこそ、**「内なる百会」**の感覚を育てることが、真の健康への鍵となる。

→前頂(ぜんちょう)
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→手の太陰肺経
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