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肺兪(はいゆ) |

「肺兪を開けば、涙も呼吸も流れ出す。」
言葉にできない悲しみも、まずは吐き出すことから。
背中からそっと、あなたを整える場所。
英語
Bladder(BL)13
Fei Shu(Lung Shu)
肺兪(はいゆ)(肺経の兪穴)
足の太陽膀胱経13
The Bladder Meridian of Foot-Taiyang
肺兪
はいゆ
haiyu
取穴部位
第3・第4胸椎棘突起間の外1寸5分。
肩甲骨内縁のやや上部、僧帽筋を軽く外に押し広げると触れやすい位置。
深呼吸時に皮膚がわずかに動くことから、肺との関わりを実感できるポイント。
筋肉
僧帽筋、菱形筋(主に小菱形筋)
運動神経
副神経、頚神経叢筋枝、肩甲背神経
知覚神経
胸神経後枝(T3〜T4)
血管
頚横動脈の枝、後肋間動脈

主治
・咳、喘息、呼吸困難、息切れ
・風邪やインフルエンザによる胸の重さ、発熱
・慢性気管支炎、肺気腫などの補助治療
・皮膚の乾燥やアトピー性皮膚炎(肺主皮毛の理論より)
・悲しみや憂うつなど「肺に宿る感情」の調整
名前の由来(オリジナル解釈)
「肺兪」の“兪”は「通じる」「流れる」「癒す」の意味を持つ文字。
この経穴は、肺のエネルギーが背中から流れ出し、調整される『気の通気口』とも言える場所。
「肺」は中医学において単なる臓器ではなく、
呼吸・発汗・皮膚・免疫・感情の働きまでを統括する存在。
その肺のバランスを、裏側(背部)から整えるこの場所が「肺兪」。
すなわち、**「肺に通じる癒しの扉」**という意味が隠れている。
中医学的意義
・五臓六腑の「肺」に対応する背部兪穴(五臓の影響が現れやすい場所)
・「肺は気を主り、皮毛を司る」ため、呼吸・免疫・皮膚症状に関係
・肺兪が詰まると、呼吸が浅くなり「外界との関係性」が閉ざされやすい
・気虚(体力不足)にも気滞(ストレス)にも有効
現代的応用
・アレルギー体質の改善(鼻炎・花粉症・皮膚炎)
・コロナ後遺症など、呼吸器が長期にわたり低下している状態のケア
・呼吸が浅く、常に緊張している人へのリラックス施術
・パニック障害や不安発作にも呼吸の安定化で間接的に効果あり
臨床での組み合わせ
・肺兪 + 風門 → 風邪の初期や気管支炎に
・肺兪 + 膻中(だんちゅう) → 息苦しさ・呼吸器と心の連動
・肺兪 + 合谷 → 肌荒れ・皮膚疾患へのアプローチ
スピリチュアルな視点
・肺は「悲しみ」の臓とされ、未消化の感情がたまりやすい
・肺兪が硬くなると、涙を流すことができず、呼吸も浅くなる傾向
・このツボを開くことは、「自分に優しく呼吸を許すこと」に通じる
セルフケア・実践法
・背中に温灸や蒸しタオルで肺兪を温めるだけでも呼吸が深くなる
・うつぶせで深呼吸するとき、自然とこのツボが刺激される
・「深く息を吐くこと」を意識すると、肺兪のつまりも解けやすくなる
→厥陰兪(けついんゆ、けっちんゆ)
←風門(ふうもん)
→足の少陰腎経
←手の太陽小腸経
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