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本位性頻脈症候群


本位性頻脈症候群(POTS)

英語:
Postural Orthostatic Tachycardia Syndrome(POTS)

本位性頻脈症候群(POTS)は、立ち上がった時に心拍数が急激に増加する症状を伴う病気です。

原因、主要な症状、診断方法、治療法について詳しく解説し、生活上のアドバイスや鍼灸治療なども紹介します。


体位性頻脈症候群(POTS)(ポッツ)は、立ち上がった時に立ち眩み症状があり心拍数が急激に増加する症状を伴う、若い女性におきやすい病気です。

成長とともに自然によくなる例も多くありますので規則正しい生活が大切になります。

一部は慢性的になり、進学や就労などの社会活動の妨げとなることもあります。

本位性頻脈症候群(POTS)の主な症状

本体性頻脈症候群の症状は特に寝ている状態や座った状態から立ち上がった時に現れることが多いのが特徴です。

立ち上がった際の心拍数の急激な増加:

立ち上がると心拍数が急激に上がることが特徴です。

1分間に30回以上増加することがあります。

めまい

立ち上がった時にめまいやふらつき感が生じることがあります。

疲労感:

疲労感や倦怠感がつづき、慢性疲労症候群と診断されることもあります。

動悸:

心臓がドキドキしている感覚が生じます。

息切れ:

軽い運動や日常的な作業でも息切れを感じることがあります。

頭痛:

頻繁に頭痛が発生することがあり、病院で検査しても脳に異常は見当たりません。

集中力の低下:

集中力が低下し、ぼんやりすることがあり、目がうつろになっていることがあります。


本位性頻脈症候群(POTS)の主な症状

POTSの原因とリスク要因

体位性頻脈症候群の原因とリスク要因はさまざまな要因が複合的に影響し合っていると考えられています。

原因


自律神経系の異常:

体位性頻脈症候群(POTS)は自律神経系の機能不全が主な原因ではないかとされています。

自律神経の乱れにより心拍や血圧の調整が適切に行えないといわれています。

血液量の不足:

血液量の減少が原因の可能性があります。

水分不足や鉄分不足といった、貧血の状態で、立ち上がった際に脳に十分な血液が送れないことがあげられます。

免疫系の異常:

自己免疫が関与していることがいわれています。

特にコロナやインフルエンザなどの感染後に発症するケースが報告されています。

コロナ後遺症と診断させることもあります。

ホルモンの異常:

アドレナリンやセロトニンなどのホルモンのバランスが崩れることも関連しているといわれています。


リスク要因


女性:

特に思春期から40歳未満の若い女性に多いのが特徴です。

感染症:

ウイルス感染(例:インフルエンザ、COVID-19) 後に発症することが多数報告されています。

コロナ後遺症との関連があげられます。

遺伝的要因:

家族に似たような症状がある場合、発症リスクが高まるといわれています。
外傷や手術: 手術後や火傷、怪我など、身体のストレスが引き金となることも報告されています。


POTSの原因とリスク要因

本位性頻脈症候群の診断方法

本位性頻脈症候群(POTS)の診断方法は、主に以下のようなステップで行われます。

症状の確認:

動悸、息切れ、めまい、疲労感、胸痛、などの症状が日常生活で頻繁に起こる場合はPOTS疑われます。

身体検査:

血圧測定や心音の確認などの基本的な身体検査を行い、心血管疾患などの他の病気が原因でないかを確認します。

心電図(ECG)の記録:

安静時と活動時の心電図を記録します。

活動時に心拍数が過剰に上昇する場合はPOTS疑われます。

24時間ホルター心電図モニタリング:

長時間の心電図記録を行い、心拍数のパターンを観察し、心拍数が異常に高い状態が続く場合、POTS疑われます。

血液検査:

血液検査で甲状腺機能亢進症などの代謝異常を除外するために、ホルモンや電解質の量を調べます。

エコー検査や運動負荷試験:

心臓の構造的な異常や他の心血管疾患を除外するために、心エコーや運動負荷試験を行います。


以上の診断手順を通じて、考えられる他の原因を排除しても、持続的な本位性の頻脈が認められた場合、POTSと診断されます。

本位性頻脈症候群の診断方法

病院での治療法

薬物療法

ベータブロッカー:

心拍数を抑えるために使用される。

フルドロコルチゾン:

血圧を安定させるために使われる。

ミドドリン:

血管を収縮させ、血圧を上昇させる。

イバブラジン:

心拍数の管理に役立つ。

生活習慣の改善

水分摂取の増加

1日2リットル前後の水分を摂取し、体液量を増やすようにこころがける。

ミネラルや塩分の摂取量の増加

ミネラルや塩分を多く摂ることで水分を確保して血圧を上げる。

小さな食事を頻繁にゆっくりとる

血糖値の急激な変動を避けるために、ゆっくりと数回に分けて食事します。

適度な運動

持続的な有酸素運動や水中での運動が推奨されます。

圧迫ストッキングの使用

下半身の血流を圧迫して立ち上がったときの血圧低下を防ぐ方法もあります。

心理療法

ストレス管理や不安の軽減のためにカウンセリングや心理療法が役立ちます。

教育と情報提供

患者自身と家族などがPOTSについて理解し、症状を引き起こす状況を避ける方法を学ぶことが重要だといわれています。

日記の記録

症状、食事、運動量、ストレスとなった事などを記録することで、症状を引き起こす要因を特定しやすくなります。

POTSの治療法と管理方法

POTSのトリガー(引き金)

体位性頻脈症候群(POTS)のトリガー(引き金)には、さまざまな要因があり、患者様ごとに異なるトリガーが存在することが多いとわれています。

個人差があり、特定のトリガーが必ずしも全てに共通するわけではありません。

以下は一般的なトリガーです。

姿勢の変化:

急に立ち上がる、長時間立ち続けて急に動くなどの姿勢の変化が、症状を引き起こすことがあります。

脱水症状:

水分や塩分が不足していると、血液量が減少し、症状が悪化する引き金となります。

天気:

高温多湿や低気圧では、血管が拡張しやすくなり、血圧が低下することで症状が誘発されることがあります。

運動不足:

長期間の安静や運動不足、筋力の低下は、心血管系の機能を低下させ、症状を悪化させる可能性があります。

ストレス:

精神的なストレスや不安は自律神経の活動を不安定にして症状を誘発することがあります。

食事:

特に炭水化物の多い食事を摂取した後に症状が現れることがあり、急激な血糖値の変動など食後の血流の変化が関係していると考えられています。

ホルモンの変動:

月経周期や妊娠、出産、思春期などのホルモンの変化がPOTSの症状に影響を与えることがあるといわれています。

POTSのトリガー(引き金)

POTS患者の日常生活での注意点

POTSの症状を軽減し、生活の質を向上させるためには、以下の日常生活での注意点が大切になります。

こまめな水分補給:


塩分の摂取:


無理な動作を避ける:


適度な運動:


圧迫下着やストッキングの使用:


ストレス管理:



POTS患者の日常生活での注意点

POTS患者の一般的なサポート

一般的に利用できるサポートは以下のようなものがあります。

サービスを利用する際は、主治医や医療機関、地域の福祉窓口に相談することが大切です。

医療支援

心臓内科や自律神経専門医への受診が大切です。国民健康保険や社会保険を利用することで医療費の一部がカバーされます。

障害年金・生活保護

POTSの症状が重く、日常生活に大きな影響を及ぼしている場合、障年金や生活保護の対象となる可能性があります。

カウンセリング・メンタルヘルス支援

公的な健康サービスや地域の精神保健センターなどで、カウンセリング支援を受けられることがあります。

鍼灸院:

当院では自律神経失調症を専門とした鍼灸師が、整体と鍼灸で心身を整えてリラックス効果を促進しながらストレスの軽減をはかり、認知行動療法や瞑想を活用したアプローチやプログラムを提供しております。

一人一人に合わせた治療をおこなっております。

薬の服用が心配な方、根本的に治したい方のご相談をお受けしております。

POTS患者の一般的なサポート

本位性頻脈症候群の臨床で使用する経絡・経穴(ツボ)の例:

天柱

風池

完骨

心兪

など

※市販の「お灸」をする時の参考としても使用できます。

本位性頻脈症候群の臨床で使用する経絡・経穴(ツボ)の例

↓↓↓↓

パニック障害

鍼灸・整体・呼吸法で過緊張を緩和しながら心理カウンセリングや瞑想で不安感を根本から軽減していきます。

頻脈

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関連外部リンク

Postural Orthostatic Tachycardia Syndrome (POTS)
Cleveland Clinic

Postural Orthostatic Tachycardia Syndrome (POTS)
Johns Hopkins Medicine

Postural Tachycardia Syndrome (POTS)
National Institute of Neurological Disorders and Stroke (.gov)