HOME | パニック障害 | 広場恐怖症

広場恐怖症


広場恐怖症

英語

Agoraphobia

広場恐怖(アゴラフォビア)

広場恐怖とは、パニック発作が起きたときに、逃げ出すことができない状況や場所を恐れ回避する状態です。

電車などの閉塞した環境下で、不安になって、発作が起きるのではないかと思うことで、(予期不安)

不安発作に襲われ、動悸、過呼吸、めまい、冷や汗がでるなどの症状と恐怖感がおこります。

このため、広場恐怖症では、

電車、地下鉄、バス、飛行機、美容院、歯科治療、1人で家にいる、家から遠く離れる、列に並ぶ、高速道路を運転する、トンネル、橋を渡る、エレベーター内、閉塞空間といった、
物理的、心理的に、拘束された状況を恐怖に感じ、避ける傾向にあります。

Agoraphobia

広場恐怖症の診断の指標

以下の5つのうち、2つ以上の状況で強い恐怖や不安がある

(当てはまるものをAnxietyとする)

①公共交通機関の利用 (電車、 地下鉄、 バス、 飛行機、 船、 自動車など)

②広い場所にいること (駐車場、公園、 公共の施設など)

③囲まれた場所にいること (店、スーパー、 劇場、 映画館など)

④列に並ぶこと、人込みにいること

⑤1人で外出すること、 家の外で1人になること


もしもバニック発作のような症状が起きたときに 「すぐに逃げることができない」、あるいは「助けを得られない」と考え、Anxietyの状況を回避する

Anxietyの状況では、ほとんどいつも恐怖や不安が起きる

Anxietyの状況をどうしても避けられない場合は、付き添いを必要とし、強い恐怖や不安をともないながら耐えている

Anxietyに抱いている恐怖や不安は、現実的には危険ではない

恐怖、不安、回避は、6カ月以上続いている

恐怖、不安、 回避によって、 日常生活や社会生活に大きな支障がある

恐怖、不安、回避は、他の不安障害や他の精神疾患、体の病気、薬などの物質の影響によるものではない

広場恐怖症の診断の指標

広場恐怖の診断基準

DSM - TR 診断基準

広場恐怖の診断基準


A.
不安広場恐怖の恐怖対象は、

「自宅の外にいる、人混みの中で1人で立つ、橋を渡る、バス、列車や車で旅行する」といったときに

「逃げ出すことが困難である」または「助けを求めることができない」と考え、

不意に、もしくは何らかの関連性で、パニック発作やパニック発作に似た症状が起きる。

もし、回避行動が1つ、または 2~3つの特別な状況(観覧車に乗った時だけなど)に限られるならば、「特定の恐怖症」の診断を考える。

また、回避行動が社会的状況(人と交流するときなど)に限られるならば、「社交不安障害」の診断を考慮する。



B. 不安が予期される状況を避けたり、さもなければパニック発作やパニック発作類似症状が出現するのではないかと過剰に心配したり、誰かに同伴を頼む。



C. 不安や恐怖による回避行動はそのほかの精神疾患、

たとえば、社交不安障害(恥をおそれ人を回避する) 、

特定の恐怖症(エレベータのようなただ1つの状況を避ける) 、

強迫性障害(汚されるという強迫観念をもつ人がドアノブを避ける) 、

分離不安障害(自宅や身内から離れることを避ける)

とは区別される。



広場恐怖症のパニック障害の診断基準

A. ①と②を満たす

①再発性で不意のパニック発作の出現

②少なくとも1回の発作後1か月以上、以下の症状が1つ以上ある


(a)次のパニック発作を心配する

(b)パニック発作にかかわることを心配する(とり乱す、心臓発作を心配する、 狂ってしまうのではないかと心配する)

(c)パニック発作と関係する行動変化



B.広場恐怖が存在するパニック障害なのか、広場恐怖が存在しないパニック障害なのか


C.パニック発作は薬物乱用や服薬物質によるものでもなく、甲状腺機能亢進症などの疾患によるものでもない。



D.パニック発作はそのほかの精神疾患

社交不安障害(恥をおそれ人を回避する) 、

特定の恐怖症(エレベータのようなただ1つの状況を避ける) 、

強迫性障害(汚されるという強迫観念をもつ人がドアノブを避ける) 、

分離不安障害(自宅や身内から離れることを避ける)

によるものでもない。



パニック障害の病歴のない広場恐怖の診断基準

A.パニック発作類似症状が出現するおそれのある広場恐怖の存在

B.パニック障害の診断基準を満たさない

C.薬物乱用、服薬、などの生理作用、内科疾患によるものでもない

D.もし何らかの内科疾患があるならば, A項に示された広場恐怖はその病気で普通にみられる恐怖よりも激しい


American Psychiatric Association : Anxiety Disorders. the Diagnostic and statistical Manual of Mental Disorders fourth edition, text revision. American Psychiatric Association' 2000

↓↓↓↓

パニック障害

パニック障害の克服、対処法、カウンセリング、認知行動療法や暴露療法などの心理療法、呼吸法や瞑想、鍼灸・整体を組みあわせた治療プログラムをおこなっております。

お友達にシェアする!

facebook  twitter  line

参考文献

こころのクスリBOOKS よくわかるパニック症・広場恐怖症・PTSD
(著)貝谷 久宣(監修)
主婦の友社
2018年09月29日発行

神経衰弱と強迫観念の根治法―森田療法を理解する必読の原典
(著)森田 正馬
白揚社
2008年10月01日発行

広場恐怖 関連外部リンク

パニック症(パニック障害)・広場恐怖症(広場恐怖)
東京慈恵会医科大学 森田療法センター

関連外部リンク

Overview - Agoraphobia
NHS

Agoraphobia - StatPearls
National Library of Medicine

Agoraphobia
Cleveland Clinic