HOME | 経絡・経穴(ツボ) | 足の太陽膀胱経 | 心兪(しんゆ)

経絡・経穴(ツボ)

心兪(しんゆ)

心兪は、単なる“ツボ”ではなく、「心が疲れた時の避難所」。

静かに背中から寄り添う力が、そこにはあるのです。

英語
Bladder(BL)15
Xin Shu(Heart Shu)

心兪(しんゆ)(心経の兪穴)

足の太陽膀胱経15
The Bladder Meridian of Foot-Taiyang

心兪
しんゆ
shinyu

取穴部位
第5・第6胸椎棘突起間の外1寸5分。
肩甲骨内縁の高さに位置し、肩甲骨の内縁から指2本分ほど外側のラインにある。
特に息を詰める癖のある人では、このツボの周囲が緊張しやすく触診で判別しやすい。

筋肉
僧帽筋、菱形筋(大・小)

運動神経
副神経、頚神経叢筋枝、肩甲背神経

知覚神経
胸神経後枝(T5〜T6)

血管
頚横動脈の枝、後肋間動脈

足の太陽膀胱経

主治
・動悸、胸部圧迫感、不整脈
・不安神経症、パニック障害、心因性の息苦しさ
・不眠症(入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒)
・心のざわつき、イライラ、胸騒ぎなどの精神的症状
・更年期や産後の情緒不安定、感情の起伏

名前の由来(オリジナル解釈)
「心兪」は、五臓のうちの「心(しん)」、つまり**精神・意識・思考・感情**を司る中心に通じる“兪(通じる・癒す)”ポイントである。

東洋医学では「心は神(しん)を蔵す」とされ、心兪はその“神の座”への呼びかけ口。
ここは単に心臓という臓器への経絡ではなく、心という霊的・情緒的中心へアクセスする「後ろの窓口」でもある。

中医学的意義
・「心は火」に属し、熱のこもり・焦り・怒りが生じやすい
・また「心は血脈を主る」ため、血流が滞ると精神不安や動悸が起こる
・心兪はその熱を逃がし、血脈を通す“安全弁”として働く
・特に「神志不安」「心血虚」「心火旺」に対し調整機能を持つ

現代的応用
・西洋医学で原因不明の動悸・不安・過呼吸・不眠などにアプローチ可能
・抗不安薬や睡眠薬の副作用に悩む人への自然療法的選択肢
・胸がモヤモヤする、気持ちが不安定など“言葉にしにくい症状”にも有効

臨床での組み合わせ
・心兪 + 厥陰兪 → 神経系・精神の安定、焦燥感・過緊張に
・心兪 + 膻中(だんちゅう) → 胸部の詰まりや息苦しさに対して内外から整える
・心兪 + 神門(手の少陰心経) → 入眠障害、不安感の軽減に効果的

スピリチュアルな視点
・心兪は「心の内側にしまった声なき叫び」を聞き取る場所
・抑圧された感情、不意に湧く不安、理由のわからない寂しさ――
それらはすべて“神(しん)”の乱れからくる。
心兪を調整することは、自分の「魂のリズム」を取り戻す第一歩でもある。

・心兪はハートチャクラと深く関わり、“愛を受け取る”ブロックを外すサポートにもなる。

セルフケア・実践法
・寝る前に温熱パッドで心兪周辺をじんわり温める → 安眠に導く
・両手で肘を抱え、背中を少し丸める姿勢で深呼吸 → 心の鎧をゆるめる
・「今、本当に感じていることは?」と内観しながら、ゆっくり呼吸を合わせる

→督兪(とくゆ)

←厥陰兪(けついんゆ、けっちんゆ)

→足の少陰腎経

←手の太陽小腸経

関連記事

膀胱 東洋医学