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更新日:2023/07/22

肺がん

Lung Cancer

もくじ

・肺がん

・肺癌の疫学

・肺癌の原因

・肺癌の成因と病態生理

・肺がんTNM分類

・肺癌の症状

・肺癌の一般的な治療

・肺癌の予後

・肺 東洋医学

・手の太陰肺経

・肺がんの鍼灸、整体、マッサージ

・肺がん自然治癒プログラム

執筆者

井出井出 貴之(鍼灸師)プロフィール

肺がん

肺癌は組織学的、発生学的に多様な疾患であり、発生部位、進行度によりさまざまな症状を呈します。したがって、その治療法も様々です。

肺癌の組織型は、大きく小細胞肺癌と非小細胞肺癌にわけることができ、非小細胞肺癌はさらに腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌などにわけることができます。

肺癌の大半を占めるのが腺癌で、次に扁平上皮癌が多くみられます。大細胞癌や小細胞癌は比較的発症頻度の低い癌です。

治療に関しては、小細胞癌は薬物療法が、非小細胞癌は外科療法(手術)が中心ですが、放射線療法もあります。それぞれの治療には、副作用や合併症があらわれることがあります。肺がんの、どのような症状がいつあらわれるかについては個人差があります。

肺がん 組織

肺癌の疫学

全世界では肺癌による死亡者数は全がん死の17%を占め最も多く、世界中で年間130万人ほどがこの疾患で死亡しています。
(2005年WHO)

日本では統計で、肺がんは全がん死の19%を占め、男性では全がん死の中で第一位、女性では大腸癌(結腸がんおよび直腸がん)、胃癌に次いで第三位を占めています。

肺癌のデータ2005年 
世界の肺癌死亡者数  1,300,000人

日本の新規肺癌患者数 83,881人 
(男性58,264人)(女性25,617人)

日本の肺癌死亡者数 62,063人 
(男性45,189人) (女性16,874人)

肺癌の原因

① 喫煙説
② ラドン説

肺がん 原因

肺癌の成因と病態生理

癌は気管支上皮から発生する癌であり4つのタイプに分類されます。

肺大細胞癌。
Large cell carcinoma. 未分化な非小細胞肺癌で、喫煙による発癌リスクは比較的低いです。

肺小細胞癌。
喫煙による発癌リスクは比較的高いです。

肺扁平上皮癌。多い
喫煙による発癌リスクは比較的高いです。

肺腺癌。増加傾向
Adenocarcinoma. 気管支の線毛円柱上皮、肺胞上皮、外分泌腺などから発生する癌です。喫煙による発癌リスクは比較的低いです。細気管支肺胞上皮癌(さいきかんしはいほうじょうひがん)は肺腺癌の亜型です。


肺がん 種類

肺小細胞癌

扁平上皮癌

肺腺癌

肺がんTNM分類

T因子は腫瘍の大きさ。
N因子はリンパ節の広がり。
M因子は遠隔転移の有無。
臨床病期はstage IからIV
Iが早期肺癌。
IVは転移を認める進行癌。


肺がん 検査

肺がん ステージ

肺がん 転移

肺癌の症状

肺がんの症状は長引く咳と血痰などをともないます。
肺がんが胸壁や肋骨、背骨などに浸潤していくと、それに伴う痛みがでてきます。
肺は全身の血液が集まり通過していく臓器なので、全身に転移する可能性が大きい癌です。脳や肝臓、副腎、骨などに転移しやすいのが特徴です。

肺がん 症状



肺がん 症状

肺癌の一般的な治療

外科療法(手術)
化学療法(薬物療法)
放射線療法
カテーテル治療(血管内治療)

小細胞肺癌は他の組織型と生物学的な性格が大きく異なります。従って小細胞肺癌とそれ以外の組織型の非小細胞肺癌の二つに大別して治療方法が選択されています。

小細胞肺癌(Small cell lung cancerは肺癌の約20%)
発育が早いため、発見時には進行性である場合が多いです。そのため手術や放射線療法などの局所治療の効果は極めて限定的であり、薬物療法が治療の中心とされています。

非小細胞肺癌(Non-small cell lung cancer肺癌の約80%)
非小細胞肺癌では、III期までは手術療法を検討されています。 IV以上の臨床病期では化学療法、放射線療法が治療の主体とされています。


肺がん 手術

肺がん 放射線治療

肺がん 抗がん剤治療

肺がん 分子標的治療

肺がん 免疫療法

肺癌の予後

小細胞肺癌
再発が 3年なければほぼ完治
限局型(げんきょくがた)3年生存率約30%
進展型 3年生存率約10%

非小細胞肺癌
Ⅰ期5年生存率 50%~70%(10年生存率約90%)
Ⅱ期5年生存率 30%~50%
Ⅲ期2年生存率 30%~40%
Ⅳ期1年生存率 30%~40%


肺がん 余命

肺 東洋医学

肺は気をつかさどります。肺は呼吸をつかさどります。肺は宣発と粛降をつかさどります。肺は水道を調節します。心血の行りを援けます。

肺は気をつかさどり、心を扶けて、臓腑や器官の働きを調節します。肺は、呼吸を通じて、天の陽気を体内に取り入れます。

肺は皮毛をつかさどります。肺は宗気、衛気、津液を巡らせることにより、皮毛に潤いを与え、これを養います。

肺 は鼻に開窮し、その液は涕である。

肺の病症
肺の宣発と粛降の失調
肺気虚
肺陰虚

手の太陰肺経

The Lung Meridians of Hand Taiyin
(肺経鍼灸経穴、acupuncture point lung 11)

肺がんの鍼灸、整体、マッサージ

臨床で使用する経穴(ツボ)の例:

中府(ちゅうふ)、云門(うんもん)、天府(てんぷ)など。

※市販の「お灸」をする時の参考としても使用できます。

肺がん自然治癒プログラム

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参考文献・引用

日本肺癌学会 (編集)
金原出版; 第7版
2022/12/7 発売

肺がん 関連外部リンク

肺がん基礎知識
国立がん研究センター

Lung Cancer—Patient Version
NCI

What Is Lung Cancer?
Centers for Disease Control and Prevention

Lung cancer
Cancer Research UK