肺がんの転移
Lung cancer metastasis
もくじ
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肺がんの転移
肺がんのがん細胞の転移の度合いで病期(ステージ)は決められます。
肺がんの転移の度合いは 肺がんのTNM分類に当てはめられて、病期を推定します。
肺がんの再発・転移 オンコロ
肺がんが転移しやすい臓器
肺がんが転移しやすい臓器には、脳、骨、副腎(ステロイドを産生するところ)、肺、肝臓などがあげられます。
肺がんが脳に転移した場合、むくみや脳圧の上昇により、頭痛や吐き気などが起こります。
転移した場所により視力障害、言語障害、認知障害、運動障害などが現れる場合があります。
骨に転移した場合、持続的な痛みや、骨がもろくなり骨折しやすくなることがあります。
副腎に転移した場合、初期症状は無症状のことが多く、進行すると腹部や背部痛が起こります。
肺に転移した場合は初期症状は無症状のことが多いです。
肝臓に転移すると、黄疸が現れ、疲労感、食欲不振、腹部痛などが起こります。
肺がんの転移は、脳MRI、脳CT、骨シンチグラフィー、胸部CT、腹部CT、腹部エコー(超音波)などで調べます。
肺がんの転移とステージ
以下は大まかな肺がんの転移の度合いとステージの目安です。
ステージ 0
癌は局所に見つかっているものの初期
ステージ 1
癌が3センチから5センチ以下。
癌は肺葉内にとどまりリンパ節や他の臓器に転移を認めない段階。
ステージ 2
顔が5センチから7センチ以下。
同じ側の肺門のリンパ節に転移している場合があるが、他の臓器には転移を認めない段階。
ステージ 3
癌が同じ側の縦隔リンパ節に転移がある。
胸膜、胸壁に広がっている。
同じ側の肺内リンパ節のみに転移がある。
縦隔や大動脈、食道、気管などに広がっているが、他の臓器には転移を認めない段階。
ステージ 4
他の臓器に転移がある
肺がんのTNM分類
T(原発腫瘍)tumor (T)
TX: 潜伏がん
Tis: 上皮内がん
(肺野型の場合は充実成分径0cm かつ病変全体径 ≦ 3cm)
T1: 充実成分径 ≦ 3cm、主気管支に及んでいない
T1mi: 微少浸潤性腺がん(部分充実型を示し、 充実成分径≦0.5cmかつ病変全体径 ≦ 3cm)
T1a: 充実成分径≦ 1 cmかつTis、 T1miに相当しない
T1b: 充実成分径> 1 cmかつ≦ 2cm
T1c: 充実成分径> 2cmかつ≦ 3cm
T2: 充実成分径> 3cmかつ≦5cm、または≦3cmでも主気管支浸潤、臓側胸膜浸潤、肺門まで連続する部分的または一側肺全体の無気肺・閉塞性肺炎がある
T2a: 充実成分径> 3 cmかつ≦4
T2b: 充実成分径> 4 cmかつ≦5 cm
T3: 充実成分径> 5cmかつ≦7cm、 または ≦5 cmでも壁側胸膜・胸壁・横隔神経・心膜への浸潤、 同一葉内の不連続な副腫瘍結節がある
T4: 充実成分径>7cm、または横隔膜・縦隔・心臓・大血管・気管・反回神経・食道・椎体・気管分岐の浸潤、 同側の異なった肺葉内の副腫瘍結節がある
N (所属リンパ節) nodes (N)
N0: 所属リンパ節転移なし
N1: 同側気管支周辺かつまたは同側肺門、肺内リンパ節への転移で原発腫瘍の直接浸潤を含む
N2: 同側縦隔かつまたは気管分岐下リンパ節への転移
N3: 対側縦隔・対側肺門・同側あるいは対側の前斜角筋、鎖骨上窩リンパ節への転移
M (遠隔転移) metastases (M)
M0: 遠隔転移なし
M1: 遠隔転移あり
M1 a :対側肺内の副腫瘍結節、胸膜または心膜の結節、悪性胸水(同側・対側)、悪性心嚢液(しんのうえき)
M1 b :肺以外の一臓器への単発遠隔転移
M1 c :肺以外の一臓器または多臓器への多発遠隔転移
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参考文献
国立がん研究センターの肺がんの本
株式会社 小学館クリエイティブ
2018年 6月27日発行
日本肺癌学会編,肺癌取扱い規約第8版 金原出版, 2017年
肺がんの転移 関連リンク
肺がんが転移しやすい場所と症状
日本肺癌学会
Lung metastases
Canadian Cancer Society
Progression and metastasis of lung cancer
National Library of Medicine