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肺がんの分子標的治療


Lung cancer molecular targeted therapy

もくじ

・肺がんの分子標的治療とは

・EGFR阻害薬

・AKL阻害薬

・血管新生阻害薬

・肺がんの自然治癒促進プログラム

執筆者

井出井出 貴之(鍼灸師)プロフィール

肺がんの分子標的治療とは

肺がんの分子標的治療とは、肺がんの発生、増殖、転移に関係する遺伝子やタンパク質を標的にした薬を使用する化学療法です。

分子標的治療薬は、がん細胞だけを攻撃できるとされ、正常細胞に及ぼす影響が比較的に少ないため、副作用も少ないとされていましたが、

実際には個々の薬に個々の副作用が起こります。また重篤な副作用が起こることもあります。

分子標的治療は間質性肺炎、肝機能障害、白血球減少などで命を落とす重篤な副作用も報告されています。

分子標的治療には、EGFR阻害薬、AKL阻害薬、血管新生阻害薬などが使われます。

肺がんの分子標的治療とは


肺がんの分子標的薬とは
アストラゼネカ株式会社

EGFR阻害薬

EGFRとは、上皮成長因子受容体と言うがん細胞の表面にあるタンパク質です。

EGFRと言うタンパク質はがん細胞が増殖するための信号を受け取る役割があります。

EGFR阻害薬はEGFRと言うタンパク質の働きを邪魔して、がん細胞が増殖するのを抑制するための薬です。

EGFR阻害薬の主な副作用

アファチニブ
発疹、爪周囲炎、皮膚乾燥、下痢、ざ瘡、味覚異常、など

エルロチニブ
発疹、下痢、口内炎、など

オシメルチニブ
発疹、爪の障害、下痢、皮膚乾燥、湿疹

ゲフィチニブ
発疹、下痢、皮膚の乾燥、など


EGFR阻害薬

AKL阻害薬

AKL阻害薬はAKL融合遺伝子が作る異常なタンパク質をターゲットにした分子標的治療薬の1つです。

AKL融合遺伝子とは、AKL遺伝子となんらかの遺伝子が融合したものです。

AKL融合遺伝子からできるタンパク質によりがん細胞が増殖することがわかっています。

肺がんでは主にクリゾチニブ、アレクチニブ、セリチニブが使われます。

AKL阻害薬の主な副作用

クリゾチニブ
目のかすみ、視覚異常、吐き気、下痢、便秘、浮腫、など

アレクチニブ
味覚異常、発疹、便秘、など

セリチニブ
食欲不振、吐き気、下痢、疲労、など

AKL阻害薬

血管新生阻害薬

がん細胞が増殖する際に栄養や酸素を細胞内に取り込むために、小さなもろい血管を作る「血管新生」と言う働きがあります。

血管新生阻害薬はこの血管新生を阻害してがん細胞の増殖を抑えようとする働きがあります。

肺がんでは、点滴で、ベバシズマブ(製品名: アバスチン)と、ラムシルマブ(製品名: サイラムザ)が使われます。


血管新生阻害薬の副作用

高血圧、蛋白尿、歯肉炎、鼻血、白血球減少、脳出血、脳梗塞、心筋梗塞、消化管に穴が開く、など

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参考文献

がん分子標的治療
がん分子標的治療 編集委員会
メディカルレビュー社 2006

肺がんの分子標的治療 関連リンク

肺がんの「分子標的薬による治療」現在使用されている薬は?今後の動向は?
QLife, Inc.

Targeted Therapies for Lung Cancer
American Lung Association

Targeted Drug Therapy for Non-Small Cell Lung Cancer
American Cancer Society, Inc.