肺がんの検査
Lung cancer test
もくじ
執筆者
井出 貴之（鍼灸師）プロフィール
肺がんの検査
肺がんの検査にはさまざまなものがあります。
画像検査や血液検査は補助的なもので、肺がんを確定するものではありません。
最終的に肺がんを確定する検査は細胞診によるがん細胞の有無です。
肺がん検査 国立がん研究センター
画像診断
胸部X線写真
肺がんが存在するかどうかを調べる簡単で一般的な検査胸部CT
胸部x線写真で確認できないような小さな肺がんの発見に有効な検査PET
がんとほかの疾患との鑑別に有効な検査リンパ節転移や他の臓器への転移の検査
腹部CT
腹部の臓器やリンパ節への転移の検査骨シンチグラフィー
全身の骨への転移の検査内視鏡
気管支鏡
内視鏡を気管支に挿入し、気管支の中を観察し、気管支や肺の組織、細胞、細菌をとって癌を調べる検査縦隔鏡
内視鏡を胸の骨の上のくぼんだ所から挿入し、気管の周辺を観察し、縦隔（左右の肺と胸骨、胸椎に囲まれた部分）やリンパ節の組織や細胞を摂って癌を調べる検査胸腔鏡
胸に小さな穴を開けて内視鏡を入れて胸腔内を観察して癌を調べる検査蛍光内視鏡
正常な組織と癌細胞などの異常な組織から出る光の差を測定し癌を調べる検査
細胞診
細胞診
たん、胸水中の細胞、内視鏡や針で採取した細胞を顕微鏡で観察して、がん細胞かどうか調べる検査経皮的肺穿刺法
X線やCTで病巣の位置を確認しながら、細胞を採取するための針を肌から刺して、疑いのある細胞を採取して、がん細胞かどうか調べる検査血液検査（癌の腫瘍マーカー）
CEA
(癌胎児性抗原)特徴
肺がん、胃がん、大腸癌、膵臓癌で高くなる
肺がん陽性率
約50%
肺腺癌では約60%
基準値
2.5ng/mL (RIA 法)
5.0ng/mL (ElA 法)
SCC
(扁平上皮がん関連抗原)特徴
肺の扁平上皮がん、子宮がん、食道癌で高くなる
肺がん陽性率
約30%
肺扁平上皮がんでは約60%
基準値
2.0ng/mL以下
(IRMA法 RIA法)
1.5ng/mL以下(ElA法)
CYFRA21-1
(シフラ)特徴
肺がんの扁平上皮がんで高くなる
肺がん陽性率
約50%
肺扁平上皮がんでは約70%
基準値
2.0ng/mL以下(RIA法)
3.5ng/mL以下(ElA法)
NSE
(神経特異エノラーゼ)特徴
小細胞肺がんで高くなる
肺がん陽性率
約25%
肺小細胞癌では約65%
基準値
10.0ng/mL以下
(IRMA法 RIA法 EIA法)
ProGRP
(ガストリン放出ペプチド前駆体)特徴
小細胞がんで高くなる
肺がん陽性率
約20%
肺小細胞癌では約60%
基準値
70.0pg/mL未満(EIA法)
SLX
(シアリル Lex-I抗原)特徴
肺腺癌で高くなる
肺がん陽性率
約30%
肺腺癌で約50%
基準値
38.0Ug/mL以下(RIA法)
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参考文献
肺癌診療ガイドライン 2020年版
特定非営利活動法人 日本肺癌学会 (編集)
金原出版 第6版 2021
肺がんの検査 関連リンク
肺がん検診の検査方法
日本医師会
Who Should Be Screened for Lung Cancer?
Centers for Disease Control and Prevention
How Is Lung Cancer Diagnosed?
American Lung Association