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アトピーと虚弱体質(きょじゃくたいしつ)

もくじ

・アトピーと虚弱体質(きょじゃくたいしつ)

・アトピーと子供の消化不良

・子供の消化不良の主な要因

・ 小児生活習慣病について

執筆者

井出井出 貴之(鍼灸師)プロフィール

アトピーと虚弱体質(きょじゃくたいしつ)

アトピー性皮膚炎の発症と同時に虚弱体質をともなうことがあります。

虚弱体質は胃腸が弱く、やせていて顔色が悪い。

貧血ぎみで、体力がなく疲れやすい。

すぐ熱をだし、保健室の常連などの特徴があります。

虚弱体質


食事がかたよりがちで、栄養のバランスが整っていない場合もあるといわれています。

消化器官が本来発揮すべき機能をはたせない状態の場合、摂取した栄養素をしっかりと消化、吸収、排泄できないため、栄養バランスを整えるだけでは限界もあるともいわれています。

虚弱児とは、疲れ易く、食欲がなく、蒼白く、元気がない小児のことをいいます。

これらは何れも、いわゆる体質異常児、神経質な小児にみる症状に一致しています。

一般的に無力体質で過保護な家庭の子どもに多くみることが特徴です。

アトピーと虚弱体質(きょじゃくたいしつ)2

アトピーと子供の消化不良

過敏性腸症候群の知識

腸に器質的な異常がなく、腸管の運動や緊張、分泌機能の充進によって、便秘や下痢を繰り返し、腹痛などの不定の胃腸症状があるものを過敏性腸症候群といいます。

大腸のみならず小腸の通過時間も短く、腸管全体の機能異常としてとらえられています。

従来、慢性腸炎と診断されていた方の多くは過敏性腸症候群と考えられています。

症状が軽微なことも多く、日常的にみられる疾患です。

自律神経失調症や心身症(しんしんしょう)の一部だと考えられています。

アトピーと子供の消化不良

子供の消化不良の主な要因

◎栄養法の誤り。人工栄養において、食事量、時間等が不規則な場合、濃いミルク、離乳期の失敗等。

◎腸管内細菌の感染。赤痢菌、大腸菌、その他の細菌によって感染される場合で人工栄養児に多い。

◎消化器以外の感染によるもの。カゼ、気管支炎、肺炎、中耳炎等。

◎気候の変化。特に暑いために消化器の機能の弱まりによって起る。また昼と夜の温度差の箸しい時。

◎体質異常。温疹ができ易く、カゼを引きやすい滲出性体質、また神経性体質の小児に多い。

子供の消化不良の主な要因

小児生活習慣病について

厚生労働省は、1956 年から使用されてきた「成人病」という用語を、1996 年10 月から「生活習慣病」と変更しました。

生活習慣改善などの予防策を強力に推進するための改称です。

脳血管障害・心臓病・糖尿病・癌・胃潰瘍など生活習慣に問題のある疾患の対策は、子供時代からの健康的な生活習慣を確率することが肝要です。

~医学大辞典第2版より~

現在日本では子供でも生活習慣病、つまり以前は成人病と言われていた肥満、高血圧、高脂血症、心筋梗塞、糖尿病といった病気が不気味な勢いで子供達の間に広まっているのです。

小児生活習慣病の一般的な概念は「成人になったときの状態を考慮しながら、小児期から治療や管理をしなければならない疾患」となっています。

厚生労働省では「小児期のライフスタイルを改善することなどにより予防し得る生活習慣病」としています。

以下の表は、厚生労働省が、明確な問題点を指摘するために3つに分類したものです。


第1群
生活習慣からの病気がすでに、小児期に、顕在化しているもの
(成人病型糖尿病・消化性潰瘍・虚血性心疾患)


第2群
潜在している生活習慣病
(動脈硬化の初期病変が10 代の小児の98%に見られる)


第3群
生活習慣病の危険な因子が、すでに小児期にみられる
(生活習慣病予備軍:小児肥満・小児高血圧・小児高脂血症)

小児生活習慣病について

小児針による治療

小児針治療は一般的な方法を行うと共に、背部では胃兪、脾兪、三焦兪、また腹部では天枢等に刺入針法を行なうとよい。

根気よく治療を継続することである。

小児針による治療

小児生活習慣病の鍼灸、整体、マッサージ

臨床で使用する経穴の例:

頭すっきりの百会(ひゃくえ)、元気を戻す湧泉(ゆうせん)など。

精神安定では内関(ないかん)、免疫力では足三里(あしさんり)など。

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参考文献

「小児針法」 P64~65 森秀太郎著 米山博久著

医道の日本社

昭和39年発行 昭和48年第5版発行

関連外部リンク

Atopic disease and cardiovascular risk factors in US children
National Library of Medicine

Curbing childhood obesity one family habit at a time
The American College of Lifestyle Medicine (ACLM)

Lifestyle Medicine in Children
National Library of Medicine