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十三鬼穴 (じゅうさんきけつ)

英語
Extra points-Literature
EX-LT
Shisan Gui Xue
Thirteen Ghost Points,Thirteen Demon Points

俗穴/ニセ経穴/誤解経穴

十三鬼穴 (じゅうさんきけつ)
Jyusankiketsu

十三鬼穴 (じゅうさんきけつ)
鬼迷十三針 「十三針鬼針」とは、邪悪な病を退治するために用いられたとされる古文に記されている鍼灸療法です。

解説
十三鬼穴は、『針灸大成』などの古典に記載された、
精神の混乱や癲狂状態に対して用いられてきた
**治療点の組み合わせ(処方概念)**です。

「鬼宮」「鬼信」「鬼床」などの名称は、
新たな経穴名を示すものではなく、
既存の経穴に対して、その治療的役割を
比喩的に表現した呼称と考えられています。

したがって、鬼〇〇という名称の経穴が
独立して存在するわけではありません。

古典の世界観を理解したうえで読むことで、
当時の人々が精神の乱れを
どのように捉え、どこに介入しようとしたのかが
見えてきます。

原文冒頭の意味
百邪癲狂所爲病、針有十三穴須認

現代語訳:
あらゆる邪(外的・内的要因)によって起こる
癲・狂(精神錯乱・異常行動)の病には、
特に用いるべき十三の重要な刺鍼点がある。

ここでいう「鬼」「邪」は、

実在の霊的存在というより

意識の混乱・暴走・制御不能な状態の象徴

です。

鬼=何を意味しているか
古典における「鬼」とは、

正気を失わせるもの

人を本人でなくしてしまうもの

意識を乱す不可視の力

👉 現代的に言えば
「精神の統合が崩れた状態」「自我が乗っ取られた状態」

なので
鬼穴=精神を“取り戻すための要点”
という意味になります。

十三鬼穴 対応表
| 鬼穴名| 現代の経穴 | 役割のイメージ |
| ------| -------- | ---------------- |
| 鬼宮 | 水溝(人中)(GV26) | 意識を呼び戻す中枢スイッチ |
| 鬼信(鬼哭)| 少商(LU11)| 呼吸・情動の解放 |
| 鬼塁 | 隠白(SP1) | 地に足をつける・血の暴走を止める |
| 鬼心 | 大陵(PC7) | 心神の鎮静 |
| 鬼路 | 申脈(BL62) | 陰陽の切り替え・覚醒調整 |
| 鬼枕 | 風府(GV16) | 脳・中枢のリセット |
| 鬼床 | 頬車(ST6) | 緊張・噛み締めの解除 |
| 鬼市 | 承漿(CV24) | 言語・嚥下・情動の出口 |
| 鬼窟 | 労宮(PC8) | 心火を抜く・内圧解放 |
| 鬼堂 | 上星(GV23) | 思考過多・妄想の鎮静 |
| 鬼蔵 | 会陰/玉門頭 | 根源的生命力の安定 |
| 鬼腿 | 曲池(LI11) | 熱・興奮の放散 |
| 鬼封 | 海泉(舌中) | 言葉にならないものの封印 |

👉 すべて既存の経穴・奇穴
👉 「鬼〇〇」は機能名(コードネーム)

まとめ
✔ 十三鬼穴は実在の「経穴名」ではない

✔ すべて既存の経穴に対応している

✔ 精神疾患用に再命名された“機能群”

俗穴/ニセ経穴/誤解経穴 十三鬼穴

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