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頬車(きょうしゃ) |
頬車=感情と顔面表現の交差点
「言いたくても言えなかった感情」が咬筋に刻まれている可能性
美容と情緒安定の両面に有効なツボ
英語
Stomach(ST)6
Jiache(Jawbone)
頬車(きょうしゃ)
足の陽明胃経6
The Stomach Meridian of Foot Yangming
頬車
きょうしゃ
Kyosha
取穴部位
下顎角と耳垂下端の間で、歯を強く噛みしめたときに最も盛り上がる咬筋の中央部。
軽く口を開けると陥凹が生じ、そこを目安に取る。
筋肉
咬筋(深部と浅部)、広頸筋との関連もあり
運動神経
下顎神経(咬筋枝)
知覚神経
下顎神経(オトガイ神経)、大耳介神経
血管
浅側頭動脈、顔面動脈の枝

主治(古典+現代応用)
・歯ぎしり、顎関節症、咬筋の緊張痛
・顔面神経麻痺、顔のこわばり、浮腫みやたるみ
・緊張性頭痛、イライラ、食いしばり由来の肩こりや首こり
名前の由来(オリジナル解釈)
「頬」は言うまでもなく顔の側面、「車」は“回転するもの・エネルギーの循環”を象徴する。
すなわち**「頬車」は顔のエネルギーが循環し、精神と感情が顔面表現として現れる交差点」**を意味している。
怒り・悲しみ・耐え忍びなどが顔に出るとき、この部位に強い緊張やこわばりが現れる。
**“心の車輪”が止まりそうなとき、このツボに触れることで再び回転が始まる**という意味も持つ。
心理的背景との関連
・頬車が硬直している人は、**感情を口に出せない・気持ちを押し殺している**ことが多い。
・「笑いたくないのに笑っている」「怒りを押し殺している」など、**感情の偽装**が筋肉の緊張として残る部位。
・このツボを緩めることは、“本当の表情”を取り戻すことに繋がる。
現代的な活用法
・マスク生活・ストレス社会で硬直しやすく、美容鍼灸では**表情筋のバランスを整える要点**として重視される。
・**片頭痛や食いしばり由来の顔面痛、顎関節ストレス**へのアプローチ点として活用。
・「感情が顔に出やすい」タイプの人には、**気分の安定と表情筋の連動**を回復するケアとして有効。
セルフケア法
・人差し指と中指で、頬車に軽く円を描くように10〜20秒ほぐす。
・「言えなかったこと」「我慢したこと」をそっと思い出しながら、吐く息とともに緩めていく。
・食いしばりのある人は、寝る前のルーティンとしてもおすすめ。
注意点
・深部に顔面神経の枝があるため、強い刺激や連続した圧迫は避ける。
・神経過敏な体質の人では、一時的に頭重感や違和感が生じることがあるので、やさしく丁寧にアプローチすること。
→下関(げかん)
←大迎(だいげい)
→足の太陰脾経
←手の陽明大腸経
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