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中府(ちゅうふ) |
英語
Lung(LU)1
Zhong Fu(Central Treasury)
中府(ちゅうふ)(肺経の募穴)
手の太陰肺経1
The Lung Meridians of Hand Taiyin
中府
ちゅうふ
chuufu
取穴部位
雲門穴の下1寸、第1・第2肋間の間、前正中線の外方6寸。
※鎖骨の外端の少し下で、軽く腕を前方に出すと圧痛を感じやすい部分。特に「呼吸が浅い」「胸が詰まる」と感じる人に反応が出やすい。
筋肉
大胸筋、小胸筋
運動神経
胸筋神経
知覚神経
鎖骨上神経
血管
胸肩峰動脈(腋窩動脈の枝)

主治
・咳、息切れ、喘息、胸痛
・肩前部のこりや痛み
・精神的圧迫感やため息が多い状態
・悲しみによる内臓緊張(五志では「悲」は肺に属す)
名前の由来(独自解釈)
「中」は内臓を、「府」は集まるところ・保管庫を意味する。すなわち「中府」は、肺の精(肺気)が集まり蓄えられる場所。
現代人は「心が詰まる」「胸が苦しい」と感じやすく、実際にこのツボが硬結していることが多い。
名のとおり、**“心身が呼吸できるようになるための入口”**という意味で捉えると、現代臨床での位置づけが明確になる。
臨床的応用
・精神的緊張や不安で呼吸が浅い人に。特に「過呼吸傾向」「パニック症状」がある場合、整息の導入点として効果的。
・現代病としての「スマホ胸」(胸郭の閉鎖傾向)へのアプローチに有効。
・触診時に痛みや硬さがある場合、単なる呼吸器症状ではなく「悲しみの停滞」を示唆することがある。
養生への応用
・ここを温めたり、軽く押すことで胸が開く感覚を得やすい。特に深呼吸の前に押すと、呼吸が通りやすくなる。
・自宅でのお灸やホットタオルなど、非侵襲的な方法で日々の「呼吸の養生点」として活用できる。
備考
・中府は「肺の募穴」であり、気の出入りを司る肺のエネルギーが集約される特別なツボである。
・募穴は五臓六腑の“現れ”を体表に示す場所であり、病の初動に反応が出やすい。
・肺の調子だけでなく、体内の水分代謝や肌トラブルにも関与することがある。
→云門(うんもん)
←少商(しょうしょう)
→手の陽明大腸経
←督脈
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