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云門(うんもん) |

英語
Lung(LU)2
Yun Men(Cloud Gate)
云門(うんもん)
手の太陰肺経2
The Lung Meridians of Hand Taiyin
云門
うんもん
unmon
取穴部位
鎖骨下、烏口突起の内側、前正中線の外方6寸。
腋窩動脈の拍動を触れる場所で、指先で胸郭上部を滑らせていくと軽いくぼみを感じる。
※肩を軽く前方に出すと皮膚の緊張が緩み、より取穴しやすい。
筋肉
三角筋前部、大胸筋上部
運動神経
腋窩神経、胸筋神経
知覚神経
鎖骨上神経
血管
腋窩動脈(拍動点)

主治
・咳嗽、胸のつかえ感、喘息、胸痛
・肩のこわばり、可動制限(特に挙上時)
・ストレスによる上胸部の緊張感(呼吸が「首や肩で行われている」感覚)
・自律神経の過緊張による上半身の硬直
名前の由来(独自解釈)
「云」は「雲(くも)」の異体字であり、「天に浮かぶもの」「漂うもの」を意味する。
「門」は入口・出入口を示す。つまり、**雲(気)が出入りする門=呼吸の通り道**という象徴的な意味を持つ。
古代では“天の気”を取り入れる玄関口としての位置づけであり、精神的な息詰まりや、外界との接触が遮断された状態を開くポイントとも捉えられる。
臨床的応用(オリジナル観点)
・ストレスにより肩が上がり「息が吸えない」と感じる人に有効。
・中府と組み合わせることで、上焦の気の巡りを整え、浅い呼吸→深い呼吸へと移行させやすい。
・「深呼吸しても吸い切れない」「詰まっている気がする」という人には、ここを優しく押さえながら整息を誘導すると効果的。
感情との関連(中医学的視点)
・肺は「悲」と「憂」を司る。
・云門に圧痛や詰まりを感じる人は、未消化な悲しみや抑圧された感情が上焦(心肺エリア)に停滞している場合がある。
・このツボを用いることで、ただ呼吸を深めるだけでなく、**「言葉にできなかった悲しみを吐き出す助け」**にもなり得る。
養生への応用
・日々、緊張がたまりやすい人は、起床後や入浴中に軽くこの部位を円を描くようにマッサージすると、上胸部が開き呼吸がスムーズに。
・鍼灸以外でも、温灸、ホットパック、軽擦などでセルフケアが可能。
備考
・中府と云門は肺経の始点であり、**“内なる声を外に出すための道”**ともいえる。
・胸を開くこと=感情を開くこと。このツボは現代人の「内なる閉塞」に対し、物理的・心理的な両面から働きかける。
→天府(てんぷ)
←中府(ちゅうふ)
→手の陽明大腸経
←督脈
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