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肩井(けんせい) |
「決断疲れ」「感情の詰まり」を解放するツボ
英語
Gall Bladder(GB)21
Jian Jing(Shoulder Well)
肩井(けんせい)
足の少陽胆経21
The Gallbladder Meridian of Foot-Shaoyang
肩井
けんせい
kensei
取穴部位
肩髃(けんぐう)穴と大椎(だいつい)穴を結んだ線の中点で、ちょうど乳頭を垂直に上がった線上。重力を肩で受け止めるような、感覚的に“肩こりの中心”とされる場所。
筋肉
僧帽筋(上部線維)
運動神経
副神経(第11脳神経)、頚神経叢筋枝
知覚神経
鎖骨上神経(頚神経叢の枝)
血管
頚横動脈、肩甲上動脈
主治
- 頑固な肩こり・首のこわばり
- 頭痛・眼精疲労・耳鳴り
- 高血圧・不眠症
- 乳腺炎・乳房の張り・乳汁分泌不全
- 気滞・ストレス性の呼吸の浅さ
- 経絡的には全身の「気のめぐり」への影響も大きい
名前の由来(語源と象徴)
「肩井」とは、「肩にある井戸」という意味。
井戸=水が湧き出す場所。ここでは「気血が集まるポイント」と解釈される。
肩井は、**身体の“圧力バルブ”のような場所**であり、日々蓄積されるプレッシャーや重圧(責任・情報・感情)を引き受ける部位でもある。
肩井が詰まると、**心身の上半部に“気の渋滞”が起こりやすくなる**。つまり、「井戸が涸れる」状態であり、頭や胸の不調として現れる。
東洋医学的意義と現代的応用
- 胆経は決断・行動の気に関係。肩井の滞りは「決断疲れ」「考えすぎ」に由来
- 「気の集積点」として、全身の気を動かすトリガーポイント的役割を持つ
- デスクワーク、スマホ操作、緊張型生活習慣で最もダメージを受けやすい経穴
- 「肩井の開通=脳と心の換気扇を回すこと」
臨床応用・象徴的アプローチ
- 長年の“我慢癖”や“抱え癖”を持つ人に効果的
- 精神的疲労が首肩に集まって抜けないときは、まずここを緩めること
- 左右差がある場合、心身のバランスの崩れやストレスの偏りを表すことがある
- 施術者自身の呼吸が整っていると、軽い刺激でも深く作用する

→淵腋(えんえき)
←風池(ふうち)
→足の厥陰肝経
←手の少陽三焦経
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