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脾兪(ひゆ) |
脾兪は、心も体も“消化不良”になっているあなたに、
「ゆっくり味わう」ことの大切さを思い出させてくれる。
英語
Bladder(BL)20
Pi Shu(Spleen Shu)
脾兪(ひゆ)(脾経の兪穴)
足の太陽膀胱経20
The Bladder Meridian of Foot-Taiyang
脾兪
ひゆ
hiyu
取穴部位
第11・第12胸椎棘突起間の外方1寸5分(内膀胱線上)
背中の中央よりやや下、腰に近いエリアに位置する。
食後に眠くなる人や、慢性的な疲れを感じる人の背中では、
この部分に鈍い圧痛が見られることが多い。
筋肉
広背筋、腰背腱膜
運動神経
胸背神経(広背筋を支配)
知覚神経
胸神経後枝(T11~T12)
血管
肋間動脈

主治
・胃腸虚弱、食欲不振、胃もたれ、軟便〜下痢
・疲労倦怠感、むくみ、重だるさ
・内臓下垂、子宮脱などの「気陥」
・アトピー、アレルギー、自己免疫疾患の体質改善
・思い悩みすぎによる心身の沈滞感、集中力の低下
名前の由来(オリジナル解釈)
「脾」は消化・吸収・運搬の役割を担うが、
中医学では**思慮・考えごと・共感力**の中心ともされる。
「兪」は“流れ”や“出入り口”を意味し、
脾兪は、**食物から心の栄養へと変換する通路**である。
知識や経験が「血肉」にならず、空回りしている時、
このツボはその滞りを静かに訴えている。
中医学的意義
・脾は「運化の官」とされ、飲食物の栄養を全身に送る力を持つ。
・また「気・血・津液」を生み出す根本であり、
その滞りは**“重だるさ” “集中できない” “やる気が出ない”**という形で現れる。
・脾兪は、そうした慢性虚症や**「想いすぎ」からくる心身疲労**の調整点。
現代的応用
・「思考疲れ」や「インプット過多」で心が詰まっている人に
・オフィスワークや勉強による“頭だけ過活動”状態のケアに
・“腸活”ブームで置き去りにされがちな「脾」のケアに着目し、根本改善を目指す
・慢性疲労、起立性調節障害、低血糖傾向などへの体質的アプローチとしても◎
精神・スピリチュアル的意味
・“考えすぎて動けない”――脾兪は、**思考と行動の間にあるギャップ**を埋める鍵。
・感情を内に溜め込みすぎて体が重くなっている人に、
「自分を労わり、栄養を与える」という意識を取り戻すことを促す。
・脾兪が開かれることで、
自分の気持ちを**他者と分かち合うための“共感力”**が自然に戻ってくる。
臨床応用例
・脾兪 + 胃兪 → 胃腸虚弱、消化吸収障害に
・脾兪 + 心兪 → 思い悩みすぎるタイプの精神不安に
・脾兪 + 三陰交 → 気血を補い、むくみ・倦怠感・冷えに対応
セルフケア・実践法
・朝起きてすぐ、背筋を伸ばして脾兪に意識を向けながら腹式呼吸を5回
・温灸や蒸しタオルで温めながら「私は自分に必要なものを受け取る」と唱える
・甘いものを欲するとき、このツボを刺激して「本当に必要な栄養」を思い出す
→胃兪(いゆ)
←胆兪(たんゆ)
→足の少陰腎経
←手の太陽小腸経
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