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経絡・経穴(ツボ)

胃兪(いゆ)

胃兪は、ただ食べ物を処理するだけでなく、

人生の重みをどう“受け止めるか”を教えてくれる。

英語
Bladder(BL)21
Wei Shu(Stomach Shu)

胃兪(いゆ)(胃経の兪穴)

足の太陽膀胱経21
The Bladder Meridian of Foot-Taiyang

胃兪
いゆ
iyu

取穴部位
第12胸椎・第1腰椎棘突起間の外方1寸5分(内膀胱線上)
肋骨の一番下のあたり、腰との境界を意識できる背部に位置する。
食後に背中が重くなる人や、胃腸の冷えを感じやすい人の背中に圧痛が出やすい。

筋肉
広背筋、腰背腱膜

運動神経
胸背神経(広背筋支配)

知覚神経
胸神経後枝(T12付近)

血管
肋間動脈

足の太陽膀胱経

主治
・胃痛、胃もたれ、胃酸過多、食欲不振、消化不良
・嘔吐、しゃっくり、ゲップ、呑気症
・背部の張りや痛み(特に食後に悪化)
・ストレス性胃炎、神経性胃腸障害
・胸焼け、胃の冷えからくる全身の疲労感や冷感

名前の由来(独自解釈)
「胃」は飲食物の第一処理場であり、心と身体にとっての“受け入れ口”。
「兪」は流れや出入り口。
胃兪は、“受け止めきれない現実や情報”を心身に染み込ませる前に、
**「ここで受け止め、整える」役割を持つツボ**。
現代では“情報の消化不良”が主訴の多くを占めるが、
このツボは、まさにそれを**受け止める器**として働く。

中医学的意義
・胃は「水穀の海」とされ、飲食物の第一消化を司る。
・胃気は“降す”が正常。その流れが逆転すると、
 「嘔吐・げっぷ・しゃっくり・胃のつかえ」となる。
・胃兪は、この**胃気の逆流を鎮め、降気させる**働きを持つ要穴。

現代的応用
・ストレスからくる「みぞおちの詰まり」や「胃の冷え」へのケア
・緊張で食欲がなくなる、あるいは過食になるタイプに
・「受け入れること」が苦手な人のエネルギー調整点
・低気圧や気圧変動による食欲不振や胃重の体質改善にも◎

精神・スピリチュアル的意味
・胃兪は「心が現実をどう咀嚼するか」を支えるツボ。
・繊細すぎてすぐに傷つく人は、胃兪が弱っていることが多い。
・何かに過剰に反応してしまう時、自分を責めず、
 **「それだけ感じている自分を受け入れる」**ことを教えてくれる。

臨床応用例
・胃兪 + 膈兪 → 胃酸過多、消化性潰瘍、胃炎の改善
・胃兪 + 中脘 → 神経性胃痛・ストレス性の胃腸不良に
・胃兪 + 脾兪 → 胃下垂、消化不良、食欲低下の体質改善に

セルフケア・実践法
・食後30分後に、胃兪を両手で優しく温めながら深呼吸を3分間
・湯たんぽやカイロで背部を温めると、自然とみぞおちが緩むのを感じられる
・お腹に手を当てながら「私は受け取るに値する存在だ」と唱えると効果が深まる

→三焦兪(さんしょうゆ)

←脾兪(ひゆ)

→足の少陰腎経

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