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経絡・経穴(ツボ)

胆兪(たんゆ)

胆兪は、迷いの背中に火を灯す場所。

他人の声に揺れる時、自分の“芯”を取り戻すコンパスとなる。

英語
Bladder(BL)19
Dan Shu(Gallbladder Shu)

胆兪(たんゆ)(胆経の兪穴)

足の太陽膀胱経19
The Bladder Meridian of Foot-Taiyang

胆兪
たんゆ
tanyu

取穴部位
第10・第11胸椎棘突起間の外方1寸5分(内膀胱線上)
肩甲骨下角よりさらに下方、背部中下部に位置する。
深い呼吸や体幹のねじれによって皮膚が動く地点でもあり、
“決断と動き”の連携が現れる象徴的なポイント。

筋肉
広背筋、腰背腱膜

運動神経
胸背神経(広背筋の支配)

知覚神経
胸神経後枝(T10〜T11)

血管
肋間動脈

足の太陽膀胱経

主治
・胸脇部痛、肋間神経痛、胆のう周辺の違和感
・消化不良、悪心、げっぷ、胆汁逆流
・偏頭痛、特に側頭部の痛みに対応
・決断できない、不安が強い、優柔不断
・夜間に目が覚めやすい(特に午前1〜3時=肝胆の時間)

名前の由来(オリジナル解釈)
「胆」とは単なる器官ではなく、中医学では**決断・勇気・果断力**の象徴。
「兪」は“開放・調整”を意味し、胆兪は**迷いや恐れを背中から整える門**。
日々の小さな選択が積み重なって、人生の大きな流れを生む。
胆兪は、その**方向を誤らないための「背中のコンパス」**とも言える。

中医学的意義
・肝は「将軍」、胆は「中正の官」とされ、**正しく決断する機能**を担う。
・胆兪は、胆経と連動しつつ「肝胆相照」の関係で肝とのバランスもとる。
・**怒りからくる不安、決断の先延ばし、繰り返す迷い**は胆の失調として現れる。

現代的応用
・仕事や人間関係で「決断疲れ」がたまっている人に
・毎回同じことで悩み、前に進めない方に
・ストレス性の胃腸トラブル(食後すぐの膨満感、脂っこい食事の不耐)に
・考えすぎて眠れない夜、深夜に目が覚める症状へのケアにも

精神・スピリチュアル的意味
・「自分の人生を、自分の意志で舵取りできているか?」
 胆兪は、そんな問いを背中で突きつけてくるツボ。
・決断を他人任せにしたり、行動を恐れて止まっているとき、
 ここが固く、冷え、鈍く痛むことが多い。
・このツボを開くことで、**魂の直感と肉体の実行力をつなぎ直す**
・言い訳を脱ぎ捨て、「今ここに在る自分」を選び直す力を取り戻す

臨床応用例
・胆兪 + 肝兪 → 情緒不安と優柔不断のダブルケア
・胆兪 + 風池 → 側頭部の偏頭痛、片側頭重感に
・胆兪 + 中脘 → 胆嚢の消化機能改善、吐き気・食後の苦しさに

セルフケア・実践法
・手の甲で背中を擦りながら、胆兪を意識し深呼吸を3回×3セット
・温灸で10分ほど温めながら「私は選ぶ力を持っている」と内言すると効果的
・朝、起きたら背中を伸ばし、胆兪に光が届くようなイメージで一日を始める

→脾兪(ひゆ)

←肝兪(かんゆ)

→足の少陰腎経

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