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睛明(せいめい) |
「目は心の窓」と言われるが、窓が曇っていれば真実は見えない。
睛明は、その曇りを拭い、“外”ではなく“内”を見ることを思い出させてくれる。
英語
Bladder(BL)1
Jing Ming(Bright Eyes)
睛明(せいめい)
足の太陽膀胱経1
The Bladder Meridian of Foot-Taiyang
睛明
せいめい
seimei
取穴部位
内眼角(目頭)のやや内側、眼窩内側壁にある陥凹部。
正確には、眼窩内側端と鼻根の間のくぼみに取る。
軽く目を閉じて、鼻に近い目頭の骨の際を探ると、少しへこんでいる場所がある。
筋肉
眼輪筋、上眼瞼挙筋の一部
運動神経
動眼神経(眼筋支配)
知覚神経
滑車上神経、眼神経(第1枝)
血管
眼動脈、滑車上動脈

主治
・視力減退、眼精疲労、近視、夜盲症、涙目
・目の腫れ・かゆみ、結膜炎、麦粒腫(ものもらい)
・三叉神経痛、顔面痙攣
・自律神経失調、精神疲労、頭痛(前頭部)
・「物が見えすぎて疲れる人」にも有効
名前の由来(オリジナル解釈)
「睛」は目を意味し、「明」は光を表す。
単に“視力が明るくなる”という意味だけでなく、
「物事を明らかに見る力」「真理を見抜く知覚」という、
精神的な“明察”の象徴でもある。
つまり、睛明は**肉体的視力と心の洞察力の接点**なのだ。
中医学的意義
・足の太陽膀胱経と陽蹻脈の交会穴。
・「水」の臓腑である腎と関係が深く、腎精の充実=視力の安定とされる。
・また、五臓六腑の“清陽の気”は目に集まると言われ、睛明はその中心的な経穴。
・目の症状だけでなく、心肝腎の失調にも敏感に反応する。
現代的解釈
・スマホ・PCなど、現代社会では目から入る情報が過剰。
・睛明は“見すぎた目”をリセットする「心眼の再起動スイッチ」。
・また、情報社会で「何が真実か見失っている」人にとって、
このツボは“内なる視界”を取り戻す助けになる。
スピリチュアルな象徴性
・古代では「第三の目(松果体)」に近い感覚器として尊ばれた位置。
・内観・直感・霊性を司ると言われ、魂の目覚めを促すツボとされる。
・「見ようとしない者は何も見えない」──睛明を刺激することは、
現実を見る覚悟を促すスイッチとも言える。
セルフケア方法
・人差し指または親指の腹で、目頭の少し内側を優しく3〜5秒押圧。
・眼精疲労を感じたら、深呼吸とともにそっと押すだけでリフレッシュ。
・押して「心まで明るくなる感覚」があれば、氣の流れが通った証拠。
補足:眠れるツボとしての使い方
・目を酷使した日は、就寝前に睛明を5分刺激すると副交感神経が優位になりやすく、
深い眠りや夢見の質にも変化が出ることがある。
・視覚=意識の開口部であることを思えば、「見ない勇気」の助けにもなるツボ。
→攅竹(さんちく)
←至陰 (しいん)
→足の少陰腎経
←手の太陽小腸経
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