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極泉(きょくせん) |
「心の泉をもう一度、湧き上がらせる場所」
感情を押し殺してきた人にとって、極泉は**“本当の声”が生まれ直す入り口**。
心がカラカラに乾いているときこそ、極泉から潤いが戻ってきます。
英語
Heart(HT)1
Ji Quan(Highest Spring)
極泉(きょくせん)
手の少陰心経1
The Heart Meridian of Hand-Shaoyin
極泉
きょくせん
kyokusen
取穴部位
腋窩(えきか/脇の下)の中央、腋窩動脈の拍動部に取る。
肩を軽く外転(外に開く)させ、指先で脇のくぼみの中心を探ると、拍動が触れやすい。皮膚の薄い部位なので、浅めの刺鍼または軽擦が基本。
筋肉
大胸筋・広背筋・上腕二頭筋腱膜が交差する部位に接する。
運動神経
腋窩神経・胸筋神経(間接的に)
知覚神経
肋間神経外側皮枝、内側上腕皮神経(ときに正中神経も関連)
血管
腋窩動脈(動脈拍動部)、腋窩静脈

主治
・心臓疾患(動悸、不整脈、心窩部の緊張)
・肩関節疾患(五十肩、腋窩周囲の拘縮)
・上肢の麻痺、痺れ(とくに心因性によるもの)
・不安感、心の不安定さ、眠れないほどの緊張
・乳房の張り・痛み(腋窩リンパの停滞による)
中医学的意義
・**極泉は心経の起点であり、「心の泉が湧き出す源」**を意味する。
・心は「神(しん)」=精神意識の座であり、そのエネルギーの発信源が極泉。
・このツボは、**肉体と精神がもっとも近づく場**であり、心神の乱れが身体症状に表れるポイント。
名前の由来(オリジナル解釈)
・「極」は最も深い、最も強いという意味、「泉」は湧き出る水源。
・極泉とは、**心の中心にある“命の泉”が湧き出す場所**。
・精神的疲労や感情の枯渇を感じるとき、ここを刺激することで「自分の中の泉が再び湧き始める」ような回復感がある。
象徴的な意味・現代的応用
・胸が詰まるようなストレス、心の奥にしまい込んだ感情を“解放”する鍵。
・極泉は「胸の奥の叫び」が出ようとする場所。涙をこらえた人が、自然に脇を抱えてうずくまるのは、このツボを本能的に守っているからかもしれない。
・**「本音が言えない」「感情を凍らせてしまった」人が、自分を取り戻す第一歩として効果的**。
・また、ハートチャクラに対応する部位として、エネルギーワークやセラピーにも活用できる。
セルフケアのヒント
・肩をゆるめ、手を脇にあてて深呼吸をすると、心の波立ちが静まりやすい。
・「わたしの心の泉が、再び流れ出す」など、肯定的なアファメーションとともに軽く押圧すると、内側から温かさを感じやすい。
注意点
・深部には大血管があるため、強圧は厳禁。特に鍼灸では浅刺・軽擦が原則。
・精神的トラウマやPTSDを持つ人には、優しく触れることから始めるのが望ましい。
→青霊(せいれい)
←少衝(しょうしょう)
→足の陽明胃経
←手の太陰肺経
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