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パニック障害の診断基準


パニック障害の診断基準

英語

Diagnostic criteria for panic disorder

パニック障害とは

パニック障害とは、

不安障害とうよばれる心の病気の一つで、

突然、不安感や恐怖感に襲われて、動悸、過呼吸、冷や汗、めまいなどのパニック発作という自律神経症状が現れます。

パニック障害とは

パニック発作とは

パニック発作はある限定した時間内に、激しい恐怖心や不安感とともに、動悸、過呼吸、めまいなどの症状が出現し、数分以内にピークに達します。

パニック発作の症状

症状には以下のものがあります

動悸、過呼吸、めまい、発汗、死の恐怖、発狂の恐怖、震え、窒息感、悪心、腹部不快感、口の渇き、胸痛、離人症、しびれ、脱力、ホットフラッシュ、冷え性、かすみ目、頭痛、耳鳴り、頻尿、便意、胃の圧迫感、鼻炎症状

パニック発作の症状

予期不安

予期不安とは、パニック発作の再来を恐れ、恐怖状況を予測し、不安が増幅し、それが引き金となり、パニック発作を起こしてしまう症状です。

広場恐怖

広場恐怖とは、パニック発作が起きたときに、逃げ出すことができない状況や場所を恐れ回避する状態です。

電車、地下鉄、バス、飛行機、美容院、歯科治療、1人で家にいる、家から遠く離れる、列に並ぶ、高速道路を運転する、トンネル、橋を渡る、エレベーター内、閉塞空間といった、

物理的、心理的に、拘束された状態で起こります。

パニック障害の統計

①有病率は約4%

②女性に多いとされるが、男性も多いです

③20代から30代に発症することが多い

④血縁者にパニック障害の人がいると発病のリスクが高まる


有病率約4%とは100人中4人がパニック障害という意味です。

300人いる会社で約12人がパニック障害を発症している計算です。

大阪と奈良の人口を合わせると約1000万人なので、その4%は、40万人と計算できます。

潜在的な患者さんを含めるとさらに多いことが予想されます。

ストレス社会と呼ばれる近年、増加傾向にあります。

パニック障害の季節性

パニック障害は、季節性感情障害と併発しやすいと言う報告があります。

ヨーロッパでパニック障害患者が救急車で搬送されるのは、雨の日や、熱波の日に多く、季節は秋に多かったと言う報告があります。

パニック障害の季節性

睡眠時パニック発作

パニック発作は睡眠中でも起こることが確認されています。

睡眠時パニック発作は深い睡眠中に突然生じるものです。

睡眠時パニック発作は、恐ろしい夢を見て起きるものではありません。

睡眠時のミニパニック発作を起こす方もおられます。

睡眠時パニック発作はノンレム期という、深い眠りの脳波の時に確認されるものですが、夢を見ているときに生じるものもあるようです。

パニック障害の診断指標

予期しないパニック発作を、1ヵ月に数回繰り返している

パニック発作の後、少なくとも1ヵ月以上、以下の症状が1つ以上ある

また発作が起きるのではと言う心配(病気不安)

次の発作で、死んでしまうのではないか、気が狂ってしまう、コントロール不能となってしまうなどの恐怖心がある

家にこもって寝ている、仕事を止める、運動を避けるなど、パニック発作を避けるような行動をとる

パニック発作は、他の不安障害、精神疾患、体の病気、薬などの物質の影響によるものではない

パニック障害の診断基準

強い恐怖、もしくは不快を感じるはっきり区別ができる期間で、以下の症状のうち4つ以上が突然に発現し、10分以内にその頂点に達する。

①動悸、心悸亢進(心拍数の増加)

②発汗

③身震い、震え

④息切れ感、息苦しさ

⑤窒息感

⑥胸痛、胸部の不快感

⑦嘔気(吐き気)、腹部の不快感

⑧めまい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、気が遠くなる感じ

⑨現実感消失(現実でない感じ)、離人症状(自分自身から離れている)

⑩コントロールを失うことに対する恐怖、気が狂うことに対する恐怖

⑪死ぬことに対する恐怖

⑫異常感覚(感覚麻痺、うずき)

⑬冷感、または熱感(ほてり)


引用:DSM-IV-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル新訂版2003年

パニック障害の診断基準

パニック障害と鑑別すべき他の状態

アルコールからの離脱

アンフエタミン乱用

喘息

カフェイン症

不整脈

心筋症

コカイン乱用

冠動脈疾患

クッシング症候群

使用薬物からの離脱

電解質異常

副甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症

低血糖

甲状腺機能低下症

マリファナ乱用

閉経期症状

僧帽弁逸脱

褐色細胞腫

肺塞栓症

側頭葉てんかん

真性めまい


ウェーン・ケートン(著) , 道場信孝,竹内龍雄(訳) :パニック障害

パニック障害と鑑別すべき他の状態

パニック障害

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参考文献

薬なし、自分で治すパニック障害
(著)森下 克也
KADOKAWA
2014年03月27日発行

関連外部リンク

Impact of the DSM-IV to DSM-5 Changes on the National Survey on Drug Use and Health [Internet].
National Library of Medicine

Diagnosis and Management of Generalized Anxiety Disorder and Panic Disorder in Adults
American Academy of Family Physicians.

Panic Attacks & Panic Disorder
Cleveland Clinic