肺がんと扶正五要穴
Lung cancer and the five main acupuncture points
もくじ
肺がんの医学
執筆者
肺がんと免疫機能低下
肺がん患者様は免疫機能の低下がよく見られます。
特に抗がん剤治療中の方の皮膚はボロボロに乾燥して、皮膚炎を起こし、皮膚科の薬を併用していることが多いです。
東洋医学でも、肺と皮膚は深い関係にあります。
免疫機能と鍼灸治療
免疫機能と鍼灸治療については多く研究されているます。
適度な鍼灸は、人体の免疫機能を調節することができるといわれています。
白血球であるT細胞やNK細胞活性の上昇により、抗がん効果が得られるとされています。
また、抗がん剤治療中の患者の白血球が上昇することで、副作用を軽減できる可能性があるといわれています。
肺がんの鍼灸「扶正五要穴」
扶正五要穴
【位置】 胸骨体の両側、第1~第6胸肋関節の陥凹部で、合計左右5穴ずつ。
【作用】 扶正気・固元気・調節免疫機能。
【解説】 扶正五要穴の位置は、大人になってから萎縮した胸腺の体表投射部位だと思わしる。 免疫学では、その発生からも実践からも、胸腺の重要性については大いに注目されている。
鍼または灸で扶正五要穴に施術すると、免疫機能の調節ができるのも納得できるだろう。
抗がん剤により白血球数が下がつて1,900 / μLにまでなると、抗がん剤の治療は継続できなくなる。
ところが、扶正五要穴を使うと、白血球数が急速に上昇し、4,000/ μL以上に戻る患者が多数いる。
すると、抗がん剤による治療を断たれた患者も最後まで治療を続けられるようになる。
【手技】胸骨体に向かって30度の角度をとって刺入する。 灸の場合はカマヤミニ灸を1~2壮据える。
引用
「証」の診方・治し方2
第3章 胸部、背部の症状
肺がん
P170
2019年4月
東洋学術出版社
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参考文献
「証」の診方・治し方2
第3章 胸部、背部の症状
肺がん
P170
呉澤森
高橋楊子
2019年4月
東洋学術出版社
関連リンク
鍼灸と免疫系
Meiji University of Integrative Medicine
Acupuncture and Immunity
National Center for Biotechnology Information, U.S. National Library of Medicine