五行との照応関係
Anaphoric relationship with the Five Pillars
もくじ
肺がんの東洋医学
執筆者
肺の志は憂(うれい)
東洋医学では、肺は憂いの感情との関係が深いといまれています。
憂いは悲しみの感情が変化したものです。
憂いや悲しみは気持ちを混乱させます。
憂いや悲しみが多いと、「肺失宣粛」といって、呼吸器疾患の病理状態になります。
肺気がさがると、耐性が低下して、さらに、憂いや悲しみに陥りやすくなり、負のスパイラルをつくります。
肺の液は涕(てい)
涕とは、鼻の粘膜から分泌される粘液で、鼻腔を潤して細菌などの異物から身体を防衛する作用を持っています。
白血球を含んだ鼻水のイメージですが、健康時は外に流れ出る事はなく、1日に約1リットル程度が鼻腔を潤すために循環しているといわれています。
鼻は肺の出入口ですので、はいの機能に異常が起こると涕も変化します。
肺寒のときは、水のような涕が流れ、肺熱の時は、ねばねばした黄色い涕が流れます。
肺乾の時は涕が少なく、鼻腔が乾きます。
肺気虚は加温と浄化機能の低下が見られ、肺陰虚は加湿機能の低下が見られます。
肺は皮に合わさり、その華は毛にある
皮毛は、皮膚、感染、産毛などの組織を含み、汗を分泌し、肌や髪の毛を潤して、外からの細菌、ウイルス、気候変動などの外邪から防衛する機能を持つ。
この防衛機能は肺の宣発作用によるもので、衛気と津液が皮膚や毛に散布されておこる。
肺の生理機能が正常であれば、肌は健康的な光沢を持ち、外邪の侵入に対する抵抗力を持つ。
肺が虚して生理機能が低下すると、外邪の侵入を受け、汗をかきやすくなったり、感冒を患いやすくなったり、肌が荒れてカサカサになったりし、不安定な皮毛の状態をていする。
肺は鼻に開窮する
鼻は肺と通じあって呼吸の窓口の役割を果たしている。
外邪が体内に侵入する場合には、鼻から喉を通気管支を経て肺に達します。
肺の病変時には、鼻水やくしゃみ、鼻づまり、喉の腫れ、などの防衛機構が働く。
現代医療ではこの鼻水やくしゃみ、鼻づまり喉の腫れといった不快な症状を消すことを治療としている面がある。
これは目先の対症療法にすぎず、身体の防衛機構の働きを邪魔するものである。
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参考文献
素問 五蔵生成篇
素問 陰陽応象大論篇
霊枢 決気篇
霊枢 脈度篇
素問 霊蘭秘典論篇
素問 陰陽応象大論篇
素問 挙痛論篇
素問 宣明五気篇
素問 五蔵生成篇
素問 蔵気法時論篇
素問 至真要大論篇
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