肺がんの標準治療
Standard treatment for lung cancer
もくじ
執筆者
井出 貴之（鍼灸師）プロフィール
肺がん 標準治療とは
小細胞肺がんと非小細胞肺がんを見分けることはとても重要です。
なぜなら、小細胞肺がんと非小細胞肺がんでは、肺がんの病期における考え方が違うからです。
一般的に、
小細胞肺がんは初期の段階から抗がん剤治療を行います。
それに対し、
非小細胞肺がんでは初期の段階から手術を行うことが多々あります。
がん治療（標準治療）の基礎知識
株式会社 蕗書房
小細胞肺がんの標準治療
限局型
早期では外科切除後に化学療法を併用。
抗がん剤
シスプラチ ンとエトポシド2剤併用、同時に胸部放射線照射。
初期治療で完全寛解が得られたら、予防的全脳照射を行う。
進展型
病変が広がっているので、放射線療法はできない。
抗がん剤は、 年齢、 一般状態 (PS) により、シスプラチンとイリノテカン(PI療法)、シスプラチンと工トポシド (PE療法)、 シスプラチンを分割するSPE療法、カルホプラチンと工トボシド(CE療法)を行う。
非小細胞肺がんの標準治療
0期
外科手術
IA1期
標準根治手術、最大腫瘍径2 cm以下で縮小手術、胸腔鏡補助下手術
切除不能では、根治的放射線療法。
IA2期
標準根治手術、最大腫瘍径2 cm以下で縮小手術、胸腔鏡補助下手術
完全切除後、テガフール・ウラシル配合剤療法。
切除不能では、根治的放射線療法。
IA3期
標準根治手術、胸腔鏡補助下手術。
完全切除後、テガフール・ウラシル配合剤療法
切除不能では、根治的放射線療法。
I B期
標準根治手術、胸腔鏡補助下手術。
完全切除後、テガフール・ウラシル配合剤療法。
Ⅱ A期
標準根治手術。
完全切除後、テガフール・ウラシル配合剤療法。
切除不能では、根治的放射線療法。
IIB期
標準根治手術、胸壁への浸潤があれは胸壁合併切除。
完全切除後、シスプラチン併用化学療法。
切除可能なT3N0で、術前化学放射線療法。
切除不能では、根治的放射線療法。
IIIA期
胸壁への浸潤があれは胸壁合併切除。
N2に対して術前治療の後、手術。
完全切除後、シスプラチン併用化学療法。
縦隔リンパ節転移がある場合、術後放射線療法。
切除可能なT3 ~ 4N0 ~ 1では、術前化学放射線療法。
切除不能では、化学放射線療法、または放射線単独療法。
IIIB期
切除不能では、化学放射線療法、または放射線単独療法。
IIIC期
切除不能では、化学放射線療法、または放射線単独療法。
Ⅳ期
同一肺葉内結節で、転移・多発肺がんを疑う場合に外科手術。
一般状態(PS)や年齢に応じて、薬物療法。
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参考文献
ライフライン21がんの先進医療9
蕗書房 2013
肺がんの標準治療 関連リンク
Treatment Choices for Non-Small Cell Lung Cancer, by Stage
American Cancer Society, Inc.
Lung cancer - Treatment
NHS
Non-Small Cell Lung Cancer Treatment (PDQ®)
NCBI