過敏性腸症候群の鑑別疾患
英語
Differential Disorders of Irritable Bowel Syndrome
もくじ
執筆者
過敏性腸症候群の鑑別疾患
過敏性腸症候群の症状として便秘や下痢が特徴的ですが、同じような症状は他の病気でも起こります。
自分は過敏性症候群だと思っていても他の病気の症状である場合があるので注意が必要です。
大腸がん、大腸ポリープ
大腸がんや大腸ポリープは初期の症状があまりなく、健康診断や、がん検診などで見つかることが多い病気です。
大腸がんや大腸ポリープが進行すると、下痢、便秘、血便、腹痛などの症状が繰り返し起こります。
潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜が炎症を起こし、びらんや潰瘍ができる病気です。
潰瘍性大腸炎の原因はわかっていませんが、遺伝や食生活などが関係すると言われ、過労やストレスで悪化するとも言われています。
症状は腹痛、下痢、血便などです。
大腸憩室症
大腸憩室症は大腸の粘膜の一部が、腸壁外に出っ張って、内壁に憩室と呼ばれる凹みができます。
この凹みが大腸にたくさんできると、便秘、下痢、便通異常、腹部膨満感などの症状が現れます。
クローン病
クローン病は、小腸を中心に、大腸やその他の消化器官にただれや潰瘍が起こる病気で、原因はわかっていません。
20代の人に多く発症する傾向があります。
症状は腹痛、下痢、下血、発熱、体重減少などが慢性的に起こります。
乳糖不耐症
乳糖不耐症は牛乳や乳製品に含まれる乳糖を分解する酵素が少ない人に起こる病気で、牛乳を飲んだり乳製品を食べると、お腹がゴロゴロしたり下痢をしたりします。
乳糖不耐症は欧米人に比べ日本人に多いと言われています。
タンパク質やカルシウム分を多く含む牛乳は健康増進に推奨されますが、乳糖不耐症の方が多く摂取すると逆に健康を損なう恐れがあります。
十二指腸潰瘍
十二指腸潰瘍はストレスにより胃酸の分泌が増えることで、十二指腸の粘膜が傷つけられて炎症を起こす病気です。
腹部やみぞおちの痛みなどを伴います。
十二指腸潰瘍はピロリ菌も発症に関わっていると言われています。
胃潰瘍
胃潰瘍はストレスにより胃酸が発生しいの粘膜が傷つけられて起こります。
またピロリ菌や薬の副作用によって起こることが指摘されています。
腹部の上部やみぞおちの痛み、いの膨満感といった症状があります。
その他
過敏性腸症候群と間違えやすい子供の病気では、機能性消化不良症や慢性機能性腹痛などが挙げられます。
急性性すい炎、子宮内膜症など、腸以外の病気の可能性も考慮する必要があります。
お友達にシェアする!
参考文献
過敏性腸症候群 おなかの弱い人の胃腸トラブル
江田証 (著)
幻冬舎
2018/04/06 発売
過敏性腸症候群の鑑別疾患 (IBS) 関連外部リンク
過敏性腸症候群
Merck & Co., Inc.,
Irritable Bowel Syndrome (IBS) Differential Diagnosis
News-Medical.Net
Irritable Bowel Syndrome Best Practices for Differential Diagnosiss
Houston Methodist