過敏性腸症候群(IBS) 過敏性腸症候群と脳腸相関
英語
Irritable Bowel Syndrome and Brain-Gut Interaction
もくじ
執筆者
脳腸相関とは
機能性胃腸障害、過敏性腸症候群(IBS)を説明するとき、それらの症状が何らかの組織の障害というよりは、
中枢神経系から腸管神経系の経路における調節異常であるとする 、「脳腸」 の腸管神経系の調節異常に由来しているという考え方があります。
これを脳腸相関といいます。
心理的要因と生理的要因
心理的要因と生理的要因のどちらが腹痛やその他の腹部症状を引き起こしているのかを断定しようとすることは合理的ではなく、
その両方が症状を引き起こす要因となっており、それぞれの寄与する程度と治療できる程度を究明することが今後の課題となっています。
ストレッサー
健康な人と機能性胃腸障害患者を比較すると、機能性胃腸障害患者はバルーンによる拡張刺激や生理的・心理的ストレッサーなどのストレッサーへの消化管運動反応 が亢進していることがわかっています。
IBS患者ではバルーンによる拡張刺激やその他の刺激による腹痛の閾値が低下していました。
これを消化管知覚過敏とよびます。
消化管運動調節と中枢神経系
過敏性腸症候群の方の消化管運動調節と中枢神経系の関係には以下のことがわかっています。
①IBSにおける消化管運動障害は睡眠時に消失する
② IBS患者は睡眠時脳波パターンが健常群と異なる
③IBS患者は脳波のβ波の活動と大腸運動が亢進している。
ストレスと性格
ストレス、考え方、感情が神経伝達物質の放出や受容体の活性を通して大腸機能におおきな影響を与えています。
特有症状
IBS患者は便秘および下痢を同時に持っこともある。
痛みを伴わない大腸運動障害、大腸運動障害を伴わない痛みを持っこともあります。
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参考文献
脳腸相関で未病を征す 健康寿命を延ばすオーダーメイド・メディスン レジリエンス×腸内細菌
松村浩道/監修・著 許庭源/〔ほか〕共著 (著)
七星出版
2016/12/ 発売
過敏性腸症候群と脳腸相関 (IBS) 関連外部リンク
脳腸相関③:脳腸相関は腸内細菌なしには語れない?!
Yakult Honsha Co.,Ltd.
Irritable bowel syndrome: A microbiome-gut-brain axis disorder?
National Library of Medicine
The Brain-Gut-Microbiome Axis and Irritable Bowel Syndrome
Millennium Medical Publishing