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不育症


不育症

英語

Recurrent Pregnancy Loss (RPL)

もくじ

・不育症とは

・不育症でも異常なしといわれた

・不育症の原因(多い順)

・血液凝固異常

・子宮形態異常

・内分泌異常

・血糖異常

・染色体異常

・不育症でも妊娠・出産できる

・染色体異常が原因の流産を除いた不育症の出産成功率

執筆者

井出井出 貴之(鍼灸師)プロフィール

不育症とは

不育症とは、妊娠しても流産、死産、新生児死亡等を2回以上繰り返す場合をいいます。

ひとりめの赤ちゃんを正常に出産していても、2人目や3人女が続けて流産や死産になる場合も不育性と診断されます。

不育症

不育症でも異常なしといわれた

2回連続で流産や、死産があり不育性と診断された人の4割以上が、検査をしても異常なしと診断されます。

その後、多くの方が自然妊娠することが可能だと言われています。

不育症の原因(多い順)

異常なし(原因不明)

PE抗体陽性(抗リン脂質抗体の一種)

抗リン脂質抗体陽性

子宮形態異常

プロテインS欠乏

第XII因子陽性(血液凝固異常を引き起こす)

甲状腺異常

夫婦の染色体異常

以上はまだはっきりと科学的に証明されているわけではありません。

血液凝固異常

PE抗体陽性、抗リン脂質抗体陽性、プロテインS欠乏、第XII因子陽性は血液凝固異常を引き起こすと言われています。

血栓ができると胎児に酸素や栄養素である血液が十分に行き届かなくなり流産しやすくなります。

子宮形態異常

子宮の形の異常には様々なものがあります。

子宮の形によっては、着床部分の血流の悪さが原因で流産しやすくなることもあります。

正常な地球の内側は逆三角形の形をしています。

子宮の内側がハート型のようになった「中隔子宮」とよばれる形態は流産する確率が約50%高いことがわかっています。

子宮内膜ポリープ、子宮腺筋症、子宮筋腫など子宮内に着床や胎児の成長の妨げになりそうな場合も流産する可能性を高めます。

内分泌異常

甲状腺ホルモンの分泌が多すぎても、少なすぎても、流産する確率が高まることがわかっています。

橋本病やバセドウ病等の持病がある方は流産しやすいことがわかっています。

また、高プロラクチン血症や黄体機能不全などでも流産しやすいことがわかっています。

血糖異常

高血糖(糖尿病)などの持病がある場合も流産しやすいことがわかっています。

血糖異常

染色体異常

夫婦のどちらかの染色体の1部が異常である場合、受精卵の染色体の組み合わせにより流産する確率が約40%高いことがわかっています。

受精卵の染色体や遺伝子を調べることで、異常のないものを子宮に戻す着床前診断がありますが、安全性や倫理的な問題があるとわれています。

不育症でも妊娠・出産できる

流産を繰り返して不育症と診断されても多くの人が出産しています。

染色体異常が原因の流産を除いた不育症の出産成功率

流産2回→ 80%以上が出産成功

流産3回→ 80%以上が出産成功

流産4回→ 60%以上が出産成功

流産5回→50%以上が出産成功

流産6回→ 30%近くが出産成功

流産7回→ 50%以上が出産成功


(厚生労働省不育症研究班調査結果データ参照)

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参考文献

不妊症・不育症診療―その伝承とエビデンス
(著)柴原 浩章
中外医学社
2019年11月01日発行

臨床婦人科産科 2016年 増刊号 知りたい最新情報がすぐわかる!
(著)雑誌
医学書院
2016年04月18日発行

不妊症 関連外部リンク

不育症(妊娠はするけれど赤ちゃんが得られない方)
慶應義塾大学病院

関連外部リンク

Recurrent Pregnancy Loss
National Institutes of Health (.gov)

Recurrent Pregnancy Loss
University of California San Francisco

Recurrent Pregnancy Loss
Stanford Medicine Children's Health