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胃がん

Stomach Cancer

執筆者

井出井出 貴之(鍼灸師)プロフィール

胃癌(胃がん)概要

<胃がんとは>

胃がんとは胃粘膜上皮から発生した悪性腫瘍であり、胃の悪性腫瘍の大部分を占めます。

その他上皮以外の組織から発生した悪性腫瘍としてGIST・胃悪性リンパ腫などがあげられます。

胃癌(胃がん)概要

<胃癌の疫学>

胃がんは日本に多く、男性、女性ともに悪性腫瘍の死因の上位を占めています。

死者49,535人(男32,142人、女17,393人)(2003)年

男性では肺癌に次いで第2位、女性では大腸癌に次いで第2位でありました。

最近の死亡数は横ばいになっています。

<胃癌の成因・病態生理>

  成因は明らかではありません。
危険因子としてヘリコバクター・ピロリ菌(Helicobacter pylori)による「慢性萎縮性胃炎」の関与があります。

また食生活やタバコなどに多く含まれるニトロソアミンの摂取なども関与しているといわれています。

胃がんは転移をしやすい癌です。

●リンパ節転移、骨盤内を含め腹腔内諸臓器のリンパ流が、胸管を経由し、左内頸静脈と鎖骨下静脈がつくる静脈角部に合流し、心臓へ灌流する際に、腫瘍細胞が逆行性に左静脈角部にある鎖骨上窩リンパ節に転移することによるウィルヒョウ (Virchow)リンパ節転移(左鎖骨Lリンパ節が腫大します)。

●血行性転移(血液の流れを利用して他の臓器にうつりこむ)では肝や肺、さらに骨、脳、皮膚、腎などへ転移します。

●腹膜転移(がん細胞が種をまき散らされるように広がっていき腹壁を覆う膜(腹膜)にくっついて発生していく、癌性腹膜炎)といった多彩な転移をします。

●クルーケンベルグ(Krukenberg)転移(播種性・血行性に卵巣に転移し、巨大な腫瘤を形成します)。

●シュニッツラー(Schnitz-ler)転移(直腸子宮窩[ダグラス窩]に播種性に転移し、直腸癌のような症状を呈します)。

<胃癌の症状>

無症状で気づかないことが多いです。

食欲不良、消化不良、過度のゲップなど。進行すると上腹部痛、腹部膨満がります。

胃がん痛みは胃潰瘍の痛みのような感じで連続的な場合と断続的な場合があります。

胃がんは膵臓や横行結腸に転移した場合、放射性の腰痛と背中の痛みをともなう場合があります。

胃癌の症状

<胃癌の一般的な治療>

内視鏡治療、手術治療、化学療法 (医薬品)、分子標的治療薬 、放射線治療、生物学的療法(免疫療法)などがあります。

<胃癌の予後>

5年生存率は胃癌全体で70%前後、StageIで90%前後、StageIIで80%前後、StageIIIで55%前後、StageIVでは9%前後というデータがあります。

胃とは、飲食物がはいる丸い袋状の器官を意味します。
胃は、脾とともに飲食物を消化吸収し、気を全身に送り出す場所です。

胃 東洋医学

足の陽明胃経

The Stomach Meridian of Foot Yangming
(胃経鍼灸経穴、acupuncture point Stomach 45)

胃がんの鍼灸、整体、マッサージ

臨床で使用する経穴(ツボ)の例:

肝兪(かんゆ)、脾兪(ひゆ)、胃兪(いゆ)など。

巨闕(コケツ)、中脘(ちゅうかん)、天枢(てんすう)など。

※市販の「お灸」をする時の参考としても使用できます。

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参考文献・引用

胃癌治療ガイドライン 医師用 2021年7月改訂 第6版
日本胃癌学会 (編集)
金原出版
2021/7/21 発売

胃がん 関連外部リンク

Stomach (Gastric) Cancer
The Johns Hopkins University

Stomach cancer
NHS-Scotland's national health information service

What Is Stomach Cancer?
NCI