腎臓がん

kidney Cancer

執筆者

井出貴之（鍼灸師）プロフィール

腎臓がん（腎腫瘍、腎細胞癌）

腎細胞癌（腎癌、グラヴィッツ腫瘍、Grawitz腫瘍）は尿細管上皮細胞から発生する腺癌です。

検診の普及によって腎腫瘍も小さなうちに発見されることが多くなりました。

尿路上皮癌（腎盂癌）は腎盂・腎杯の上皮より生ずる癌腫です。

腎芽腫（ウィルムス腫瘍、Wilms腫瘍）は小児にみられる腫瘍です。

<腎腫瘍の疫学>

男女比は3:1です。男性に多く発症し50～60代が好発年齢です。

腎不全のために人工透析を長期に渡って受けている患者は腎臓がんになるリスクが上がります。

喫煙と肥満（特に女性の肥満）により腎臓がんになるリスクがあがります。

罹患率の国際比較では、日本は欧米諸国よりも低い傾向です。

腎腫瘍の疫学

<腎腫瘍の成因>

腎がんは発生しやすい家系があり、遺伝子解析により腎がんにかかることが予測できるといわれています。

転移は血行性転移が多く、肺・肝・骨に転移しやすいです。

腎腫瘍の成因

<腎腫瘍の症状>

間欠的肉眼的血尿、腹部腫瘤、側腹部痛が3主徴です。

他に、腎血管性高血圧発熱、全身倦怠感、体重減少、肝機能障害赤、血球増多症高、カルシウム血症などがあります。

腎腫瘍の症状

<腎がんの病期>

「腎癌取扱い規約第３版日本泌尿器科学会・日本病理学会・日本医学放射線学会／編 1999年金原出版（株）東京」

pT　原発腫瘍

pTX 原発腫瘍の評価が不可能

pT0 原発腫瘍を認めない

pT1 最大径が7.0cm以下で、腎に限局する腫瘍

pT1a 最大径が4.0cm以下で、腎に限局する腫瘍

pT1b 最大径が4.0cmを越えるが7.0cm以下で、腎に限局する腫瘍

pT2 最大径が7.0cmを越え、腎に限局する腫瘍

pT3 腫瘍は主静脈内に進展、または副腎に浸潤、または腎周囲脂肪組織に浸潤するが、Gerota筋膜を越えない

pT3a 腫瘍は副腎または腎周囲脂肪組織または腎洞脂肪組織に浸潤するが、Gerota筋膜を越えない

pT3b 腫瘍は腎静脈または横隔膜下までの下大静脈内に進展する

pT3c 腫瘍は横隔膜を越える下大静脈内に進展する

pT4 腫瘍はGerota筋膜を越えて浸潤する

　　　
pN　所属リンパ節

pNX 所属リンパ節の評価が不可能

pN0 所属リンパ節転移なし

pN1 １個の所属リンパ節転移

pN2 ２個以上の所属リンパ節転移

　　　
pM　遠隔転移
pMX 遠隔転移があるかどうか評価不能
pM0 遠隔転移なし
pM1 遠隔転移あり