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必殺穴(ひっさつけつ)EX-OT08 |

英語
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EX-OT08
bi sha xue
Special Killing Hole
俗穴/ニセ経穴/誤解経穴
必殺穴(ひっさつけつ)
Hissatsuketsu
必殺穴(ひっさつけつ)
― 映像作品の演出と、実際の身体の話を分けて考える ―
テレビドラマ『必殺仕事人』シリーズに登場する
飾り職人の秀(演:三田村邦彦)は、
簪(かんざし)を用い、(1986年3月28 日放送回以降)
悪人の後頚部の一点を正確に突くことで命を絶つ
印象的な必殺技を使う人物です。
作中ではその部位は
「急所」「必殺穴?」として描かれ、
一撃必殺の象徴的な演出となっています。
映像作品としての「必殺穴」
必殺シリーズにおける必殺技は、
無駄のない動き
音もなく終わる決着
悪を裁く象徴的な所作
として、
物語表現・演出として完成されたものです。
この「必殺穴」もまた、
人体には触れてはならない一点がある
という緊張感を視覚的に伝えるための
フィクション上の設定といえます。
医学・鍼灸の視点から見ると
結論から述べると、
「必殺穴」という名称の経穴・奇穴や
必殺仕事人の急所的な経穴は、
東洋医学・鍼灸医学の文献には存在しません。
古典医学書
現代の経穴学
WHO標準経穴
いずれにも該当する記載はなく、
必殺穴は映像作品の中でのみ成立する架空の急所です。
これは、
映画『Kiss of the Dragon(龍の口づけ)』(2001年公開)で描かれる
「後頚部に針を刺すと死に至る」(龍接吻)という描写と
本質的に同じ位置づけになります。
「首の後ろ=危険」という誤解について
後頚部は確かに、
延髄や脊髄に近い
重要な神経・血管が走行する
といった理由から、
強い外力や無差別な刺入が危険になり得る部位ではあります。
しかしそれは、
武器を突き刺す
深く強く一点を破壊する
といった行為を前提とした話です。
鍼灸における後頚部への施術
鍼灸や手技療法では、
解剖学的な深度
刺入方向
刺激量
目的(調整・緩和)
を厳密に考慮した上で、
後頚部にも安全にアプローチします。
実際に、
天柱
風池
大椎周囲
など、
首の後ろには古くから用いられてきた経穴が多数存在します。
これらは
「命を奪う点」ではなく、
緊張をゆるめ、巡りを整える点として使われてきました。
なぜ恐怖のイメージが残りやすいのか
映画やドラマの印象が非常に強い
「一撃で死ぬ」という演出が記憶に残る
首という部位への本能的な恐怖
こうした要素が重なり、
首の後ろに鍼をするのは危険なのでは?
という不安につながることがあります。
しかしそれは、
フィクションの記憶が現実の身体感覚に重なった結果とも言えます。
大切な線引き
必殺穴
→ 物語の中の象徴的な急所
鍼灸で扱う経穴
→ 身体を壊さないための調整点
同じ「後頚部」という場所でも、
目的・考え方・扱い方はまったく異なります。
まとめ
必殺シリーズに登場する「必殺穴」は架空の急所である
医学的・鍼灸学的に該当する経穴は存在しない
映画やドラマの演出が、首の後ろへの恐怖を強めることがある
適切な知識と技術のもとでは、後頚部への鍼や施術は必ずしも危険ではない
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