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肩髎(けんりょう) |

英語
Triple Energizer(TE)14
Jianliao(Shoulder Bone Hole)
肩髎(けんりょう)
手の少陽三焦経14
Triple Energizer (Triple Heater TH) Meridian of Hand-Shaoyang
肩髎
けんりょう
kenryo
取穴部位
肩峰外端の後下際。腕を軽く外転させると三角筋が浮き上がり、その後縁下部に触れるくぼみが肩髎穴の目安となる。押圧でやや鈍い響きが走る点が正確な位置。
筋肉
三角筋
運動神経
腋窩神経
知覚神経
鎖骨上神経
血管
後上腕回旋動脈
主治
- 肩関節周囲炎、四十肩・五十肩
- 肩の動作制限・拘縮・筋力低下
- 腕への放散痛、痺れ、脱力感
- 心身の緊張による上半身のこわばり
名前の由来(語源)
「肩」はそのまま肩部を意味し、「髎(りょう)」は“骨のくぼみ”や“関節部の空洞”を表す言葉。つまり「肩髎」は、肩の関節部にある気血の巡りを調整する“要所の窓”を指す。風が吹き込む隙間のように、邪気が侵入しやすい肩関節を整える防波堤のような経穴といえる。
特徴と臨床的な考察
- 三焦経に属する肩髎は、「氣の通り道」を物理的に支える関所。経絡の流れがここで滞ると、上肢や肩背の可動域が制限され、呼吸も浅くなる。
- パソコン作業や精神的緊張でこわばった現代人の“肩の鎧”を外す鍵を握る。
- また、肩髎は「三角筋の感情的な圧縮」を解き放つ働きもあり、特に怒りや我慢を溜め込むタイプの肩こりには刺鍼で深い解放が起きる。
使用のヒント(臨床応用)
- 筋肉注射に用いられる三角筋中央付近とは異なり、やや後方寄りの肩髎にアプローチすることで、より深層の「気滞」に対応可能。
- 特に肩の外転制限(腕を横に上げづらい場合)に効果が高い。
- 鍼や灸の刺激は穏やかに、しかし芯まで届くように施すと良い。
哲学的解釈(心身の交差点としての肩髎)
肩は「背負う場所」であり、「放つ場所」でもある。肩髎は、人生の重荷を下ろす許可を与えてくれる経穴だともいえる。怒りや責任感が蓄積していくと、この経穴は硬直し、まるで扉を閉ざすかのようになる。そこに鍼を一刺しすれば、凍りついた感情がじんわりと溶け始め、心も肩も軽くなる。
現代に生きる私たちが忘れがちな「手放すこと」の大切さを、肩髎は静かに教えてくれる。

→天髎(てんりょう)
←臑会(じゅえ)
→足の少陽胆経
←手の厥陰心包経
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