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食竇(しょくとく) |
「身体が“食”を拒むとき、心に寄り添う場所」
食べることは、生きること。
でも私たちは時に、“心がつかえて、食べられなくなる”ことがあります。
食竇は、そんなときに「大丈夫だよ」と体が語りかけてくれる場所。
ツボに触れることで、忘れていた“食の安心”を取り戻してみませんか?
英語
Spleen(SP)17
Shidou(Food Hole)
食竇(しょくとく)
足の太陰脾経17
The Spleen Meridian of Foot Taiyin
食竇
しょくとく
shokutoku
取穴部位
中庭穴(任脈17)の外6寸、乳根穴(胃経18)の外2寸、第5肋間に位置。
鎖骨中央と第5肋間の交点を基準にし、乳頭の外側やや上に位置する。
呼吸により肋間が動くため、深呼吸を促して位置確認を行うのがポイント。
筋肉
大胸筋(深層に肋間筋)
運動神経
内・外側胸筋神経
知覚神経
第5肋間神経の外側皮枝
血管
外側胸動脈、肋間動脈

主治
・食欲不振、胃の膨満感、胸苦しさ
・げっぷ、しゃっくり、逆流性食道炎の症状
・胸脇苦満、胸の詰まり、呼吸の浅さ
・乳腺の張りや痛み、乳房の違和感(女性)
・自律神経の乱れに伴う「胸から上の熱感」や「胸部圧迫感」
中医学的意義
・“脾経が胸部に昇る要穴”として、食欲や消化吸収に関連するエネルギーの昇降調整を担う。
・「気が胸につかえる」感覚や、**“気の逆流(気逆)”に関与する代表的なツボ**。
・肺や胃、心包と連携し、**胸腹部の「開き」や「流れ」をつくるポイント**となる。
名前の由来(オリジナル解釈)
・「食」は食物、「竇」は“穴”や“空間”の意。
・古典的には「食物が停滞している空間」として胃の気の滞りを指すが、現代的には
“食べ物の通り道=胸郭上部の食道まわりの“詰まり”や“開放”にかかわるポイント”と捉えると理解しやすい。
・また、**「食への執着・不安」など精神面の“詰まり”を映し出す穴**でもある。
象徴的な意味・心身へのアプローチ
・「なぜか食事が喉を通らない」「何かが胸につかえている」「空腹なのに胃が動かない」といった
**感情と食欲の関係がズレているとき**、このツボは反応しやすい。
・過去に食事中の不快な記憶や、プレッシャーを感じながらの食生活が続いていた人にも効果的。
・ツボ周囲に触れて硬さや冷えがあるときは、**“安心して食を楽しむこと”ができていないサイン**かもしれない。
セルフケアのヒント
・食後の膨満感がある時や、緊張で食が進まない時に、
ツボの周囲を手のひらで包むように温めると、胸部がゆるみ、呼吸が深くなりやすい。
・軽く指を置きながら「私はゆっくり味わっていい」と心の中で唱えると、
**「食」と「感情」のズレを修復する**助けになる。
注意点
・乳腺に異常がある方、妊娠中、または乳がん治療中の方は使用を控えるか専門家の判断を仰ぐこと。
・過度な刺激は避け、優しく行うことが推奨される。
→天溪(てんけい)
←腹哀(ふくあい)
→手の少陰心経
←足の陽明胃経
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