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肩中兪(けんちゅうゆ) |

「背負う者に、降ろす自由を与える門」
人は時に、自分の期待よりも、他人の目や社会の常識に囚われてしまう。
肩中兪は、その重荷に気づき、静かに手放すことを教えてくれる、
“身体の真ん中にある心の出口”なのかもしれません。
英語
Small Intestine(SI)15
Jian Zhong Shu(Central Shoulder Shu)
肩中兪(けんちゅうゆ)
手の太陽小腸経15
The Small Intestine Meridian of Hand-Taiyang
肩中兪
けんちゅうゆ
kenchuyu
取穴部位
第7頚椎と第1胸椎棘突起間の外方約2寸、僧帽筋の外縁に位置。
首を前に倒した際に最も突出する椎骨(第7頚椎)のすぐ下、両肩の“交差点”に当たる場所。
筋肉
僧帽筋、肩甲挙筋
運動神経
副神経、頚神経叢筋枝、肩甲背神経
知覚神経
頚神経後枝、胸神経後枝
血管
頚横動脈、肩甲背動脈

主治
・肩こり、頸肩腕症候群、背部のこわばりや疼痛
・神経性の呼吸浅化、慢性疲労による姿勢崩れ
・不安やイライラに伴う首・肩の緊張感
・自律神経の過緊張による肩甲骨内縁の硬結
・喉や咽頭の違和感(梅核気など)と関連のある上背部の気滞
名前の由来(オリジナル解釈)
「肩中兪」の“中”は、物理的には肩の中心、精神的には「荷を背負う真ん中」を意味する。
“兪”は気を流す門であり、この穴は「責任と感情のちょうど交差する場所にある放出口」ともいえる。
すなわち、「肩中兪」は、
“精神的な重圧や義務感のエネルギーを、心から背中へ、そして外へ流し出す中継点”である。
中医学的意義
・小腸経が天を昇り、肩背部に広がる中継点。
・陽気が滞ると、ここに“熱”がこもり、首・肩にかけての圧迫感やイライラ、神経過敏を引き起こす。
・また、この部位は「肺気」とも関係が深く、呼吸の詰まりや“喉のつかえ”と関連する。
象徴的意義と現代的応用
・パソコン作業やスマートフォンの常用で、背中が“前に引っ張られ”続ける現代人にとって、肩中兪はまさに「身体のブレーキが壊れた交差点」。
・ここを解放することで、首・肩・背中が連動して“自然なリズム”を取り戻す。
・心理的には、「こうすべき」という思考に縛られたとき、この経穴に触れることで「私はどうしたいのか」という内なる声を取り戻せることがある。
セルフケアのすすめ
・両手で首の後ろを包むようにしながら、肩中兪に圧をかける。呼吸と共にゆっくり押すことがポイント。
・寝る前や緊張が高まったときに、蒸しタオルなどで温めると、副交感神経が優位になりやすい。
・「私はもう、すべてを背負わなくてもいい」という言葉を心の中で唱えながら、吐く息で脱力を。
補足
・この経穴は「決断の場」にも通じる。
多くのものを背負い過ぎ、動けなくなったとき、「ここを緩めることで、一歩踏み出せる」こともある。
・“重荷からの自由”を得たいすべての人に触れてほしい、深い解放のツボである。
→天窓(てんそう)
←肩外兪(けんがいゆ)
→足の太陽膀胱経
←手の少陰心経
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