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照海(しょうかい) |
「目を閉じて、深い海の底を感じる。
混乱の波は静まり、
あなたの内に眠っていた“水の記憶”が静かに戻ってくる。」
英語
Kidney(KI)6
Zhaohai(Shining Sea)
照海(しょうかい)
足の少陰腎経6
The Kidney Meridian of Foot-Shaoyin
照海
しょうかい
shokai
取穴部位
内果の直下1寸、後脛骨筋腱の前縁。
内果の最も高い骨の下端から指1本分(約2cm弱)下に向かって押し、くぼみを感じる部位。
押圧により深層にひびく感覚が特徴的。
筋肉
後脛骨筋腱、長指屈筋腱
運動神経
脛骨神経(足底運動を司る)
知覚神経
伏在神経、脛骨神経の内側枝
血管
後脛骨動脈、静脈

主治(臨床応用)
・月経不順、無月経、過多月経、白帯下など婦人科系全般の不調
・のぼせ、ほてり、寝汗などの腎陰虚に関連する症状
・喉の乾燥、慢性咽喉痛、声が出にくい、咳などの虚熱症状
・不眠(特に入眠困難)、イライラ、夢を多く見るタイプ
・膀胱炎、尿道の熱感や違和感など泌尿器系の熱症状
▶ 特に「腎陰虚」による“乾き”と“熱の逆上”を鎮める作用に優れる。
▶ 任脈・陰蹻脈とも交会するため、**婦人科疾患の要穴**とも言える。
名前の由来(オリジナル解釈)
「照海」とは、文字通り「海を照らす」という意味。
▶ “照”は**光・明らかにする**ことを意味し、
▶ “海”は**腎=水の源、大地の底に広がる生命の貯蔵庫**を象徴する。
つまり照海とは、**体の奥深くに眠る“水の力”に光をあて、潤し、目覚めさせる経穴**である。
▶ 心火が上昇し、陰が枯渇したとき、
▶ その火を和らげ、海のごとき深い陰を再び呼び戻す。
▶ 夜の静寂の中、月が海を優しく照らすように、
▶ 照海は「火」による過剰な動きに「水」の鎮静をもたらす。
経絡的意義・精神的作用
・腎経と**陰蹻脈**の交会穴であり、「陰のバランス調整」の要所。
・陰の気(静、冷、潤)を補いながら、**過剰な陽(熱、動、昇)を抑える**
・陰虚による内熱、情緒不安、睡眠障害など「熱に傾いた精神」を鎮める働きがある。
▶ 特に「熱くて寝つけない」「喉が渇いて眠れない」など、
▶ 体と心の両面で“夜の平穏”を妨げるときに活用される。
精神・感情との関係(詩的・哲学的解釈)
腎陰が枯れると、心火が暴走する。
▶ 思考が止まらず、不安が募り、夢ばかり見て心が休まらない。
照海は、そうした“魂の渇き”に静けさと潤いを与える経穴。
▶ 「照」は“静けさの中の明るさ”
▶ 「海」は“心が還る深い静寂”
象徴的イメージ(オリジナル詩的表現)
・“真夜中の海に月が差すように、熱く乱れた心に静寂を戻す”
・“体の奥に湛えられた水の記憶が再び呼び起こされる場所”
・“動き過ぎる陽に、内なる陰がそっと語りかける”
施術・養生の活用法
・婦人科疾患・不眠・喉の渇き・虚熱症状にお灸(温めすぎず、静かな熱を)
・神門(心経)と合わせて使うと、心腎のバランスを整え精神が安定
・陰陵泉(脾経)と併用することで、湿・熱・冷えのバランスを取る
▶ 呼吸瞑想やヨガの前に照海を軽く指圧することで、**内なる水に意識を向けやすくなる。**
現代的な応用
・更年期障害(のぼせ、不眠、月経異常)
・喉・泌尿器の炎症傾向を整えたい体質改善
・夜勤・不規則な生活で心と身体のリズムが乱れた人にも有効
▶ **照海は、失われた陰の調和と夜の静けさを取り戻す“月の扉”である。**
→復溜(ふくりゅう)
←水泉(すいせん)
→手の厥陰心包経
←足の太陽膀胱経
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