![]() |
鳩尾(きゅうび、はとのお) |
「鳩=和」「尾=気の集結」
“心と腹をつなぐ中間点”
英語
Conception Vessel(CV)15
Jiu Wei(Turtledove Tail)
鳩尾(きゅうび、はとのお)(任脈の絡穴)
奇経 任脈15
The Ren Meridian (Ren)
鳩尾
きゅうび(別名:はとのお)
kyubi / hatono-o
取穴部位
胸骨体下端のすぐ下、臍(神闕)から上へ約7寸(指7本分)
みぞおちの最も窪んだところ、肋骨の間に指がはまる位置
筋肉
白線(腹直筋の正中線)
運動神経
-
知覚神経
肋間神経前皮枝
血管
肋間動脈、上腹壁動脈
主治
- 心窩部の緊張・不快感
- 過換気症候群・動悸
- 自律神経失調症
- 呼吸困難、喉の詰まり
- ストレス性の胃痛、食欲不振
- ヒステリー・パニック症状
名前の由来(独自解釈)
「鳩尾」とは、**鳩(はと)のくちばしのように突出した胸骨下端を指す比喩**ともされるが、 中医学的には「鳩(=やわらぎ、平和の象徴)」と「尾(=気が集まり、まとまる場所)」の意味があると捉え、 **「鳩尾=心と腹の“和”を生む場」**という象徴性をもつ。 心下の詰まりや情緒の波は、この一点に現れやすい。
象徴的役割(独自視点)
- 鳩尾は「胸(心)と腹(腸)」の“中間管理職”のような存在。
- 思考(頭)と感情(心)と直感(腹)をつなぐ“心身統合のスイッチ”。
- 呼吸の変化や情緒の乱れが即座に表れる「感情の着地点」。
心理・スピリチュアル的アプローチ
- ショックや怒り、悲しみ、プレッシャーなどが強い時、「みぞおちの締めつけ」として現れる。
- 鳩尾に触れると、泣きたくなる、呼吸が深くなる――そんな反応が起こることもある。
- この部位は「泣き止まない赤子を抱いて落ち着かせる時、自然と手を当てる場所」としての記憶を持つ。
施術のポイント
- 交感神経過緊張状態にある患者には、接触鍼や指圧でも大きな効果。
- うつ伏せでの施術が苦手な方には、仰向けでの「鳩尾開き」が効果的。
- エネルギーワークや呼吸誘導とも親和性が高く、“場のリセット”にも活用できる。
セルフケアとしての鳩尾
- ストレス時に自然とここを押さえているのは、身体の智慧。
- 深呼吸とともに「鳩尾に手を当てる」だけで、神経系が整いやすくなる。
- 忙しさで“自分を見失いそうな時”、まずここに帰ってくることが大切。

→中庭(ちゅうてい)
←巨闕(こけつ)
→督脈
←足の厥陰肝経
関連記事