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経絡・経穴(ツボ)

僕參(ぼくしん)

僕參 ——「踏み出す前に、自分の足元を見つめ直す場所」

足の奥にある静かな声に、

今日も耳を傾けてみよう。

そこには、見えない力の源が息づいている。

英語
Bladder(BL)61
Pu Can(Subservient Visitor)

僕參(ぼくしん)

足の太陽膀胱経61
The Bladder Meridian of Foot-Taiyang

僕參
ぼくしん
bokushin

取穴部位
昆侖穴の直下。踵(かかと)の外側で、外果(外くるぶし)の真下にある踵骨外側面のくぼみ。
体重をかかとに移したとき、最も深く沈みこむ圧点に現れる。

筋肉・腱・靭帯
下伸筋支帯(伸筋支帯の一部が近接)
踵骨外側の靭帯構造と連動

運動神経
特定の筋に対する支配なし(局所運動神経の関連は弱い)

知覚神経
腓腹神経の枝(外側足背皮神経)

血管
腓骨動脈(終末枝が分布)

足の太陽膀胱経

主治(臨床応用)
・足関節部の不安定感、踵の違和感や重だるさ
・アキレス腱炎、足底腱膜炎初期症状
・足の冷え、夜間のこむら返り、下肢の疲労感
・下肢から上行する膀胱経の流れの詰まりに対しての導入点
・「地に足がつかない」感覚の心身症状にも効果的(特に不安定型うつ、ふらつき)

名前の由来(オリジナル解釈)
「僕參(ぼくしん)」の「僕」は、かつて「召使い」や「補佐」を意味する一方で、
陰に仕え、力を支える“静かな存在”をも示す漢字。
「參」は「まい(参)じる」から転じて、「参加する」「整列する」「付き従う」意味がある。

つまり、**僕參とは「隠れた足の補佐官」「身体を支える裏方」**を意味する。
目立つことなく、しかし全身のバランスに大きな影響を与えるこの部位は、
まさに「足の影のリーダー」と呼ぶべき存在である。

中医学的意義
・膀胱経の流れが「昆侖」から「地の気」へと降りる経過点に位置。
・「腎陽の根(足底)」に近く、腎経との連携にも注目される部位。
・気血が下に降りきらないとき、ここに“滞り”が生まれ、
 足の違和感や末端の冷えとして現れることが多い。

象徴的な意味(独自比喩)
**僕參は「地に従い、体を支える“影の仕掛け人”」**。
私たちはしばしば「体の上」にばかり意識を置くが、
本当の安定は、見えない「足元」の働きに支えられている。
僕參はまるで、“静かなる守護者”。
日々の無意識なバランスの狂いを、そっと整えてくれている。

臨床活用
・足首の慢性不安定感:僕參 + 崑崙 + 太谿
・足の冷え性:僕參 + 三陰交 + 湧泉(特に温灸で有効)
・「体が浮いている感じ」がある心因性症状:僕參 + 内関 + 地機
・スポーツ後のふくらはぎ・足底リリース:僕參に軽擦または円を描くように指圧

セルフケア・意識化のヒント
・目を閉じ、深呼吸しながら僕參を親指でじんわり圧迫してみる。
 地面とのつながりを“感覚として”再確認することができる。
・感情が浮ついて地に足がつかないとき、ここを温めると心も落ち着く。
・瞑想や呼吸法の前に、まず「僕參を感じる」ことで、
 より深いグラウンディングが可能になる。

関連経穴との関係
・崑崙(BL60)…外果〜アキレス腱間の「主関所」、流れの開放と連携
・申脈(BL62)…足の外側バランスに対する調整点として併用有効
・太谿(KI3)…内果側の陰と、外果側の陽の“対比と統合”
・湧泉(KI1)…腎気を活性化し、地に足をつける意識と連動する

→申脈(しんみゃく)

←昆侖(こんろん)

→足の少陰腎経

←手の太陽小腸経

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