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次髎(じりょう) |
心と子宮をつなぐ、仙骨の音叉——次髎の響き
上髎が開けた門なら、次髎はその中に灯す光。
深いところから、穏やかに、整う。
静けさの中に、本当の力がある。
英語
Bladder(BL)32
Ci Liao(Second Bone Hole)
次髎(じりょう)
足の太陽膀胱経32
The Bladder Meridian of Foot-Taiyang
次髎
じりょう
jiryo
取穴部位
第2後仙骨孔(S2)部に取る。
仙骨のくぼみを指でなぞると、上髎のすぐ下、滑らかに触れる次の孔に位置する。
筋肉
仙棘筋(仙骨深部筋)
運動神経
脊髄神経後枝(S2)
知覚神経
中殿皮神経、仙骨神経叢
血管
外側仙骨動脈、仙骨孔動脈枝

主治
・婦人科疾患(子宮内膜症、排卵障害、月経前症候群)
・泌尿器系トラブル(頻尿、尿漏れ、膀胱炎)
・坐骨神経痛、下肢の放散痛
・腰仙部痛、尾骨周辺の張り
・便秘、痔、直腸下垂感
名前の由来(オリジナル解釈)
「次髎」は、「上髎」に続く“次なる門”という意味。
すなわち、仙骨を通る精気の道において、次段階の精密な調整点を意味する。
上髎が“開門”なら、次髎は“調律”。精と気が開かれた後、その質を整えるための場所。
古代の骨門思想では、「次」は単なる順序ではなく、**“深化・発展・精妙化”**を意味した。
中医学的意義
・腎精が「上髎」で目覚めた後、「次髎」にて陰陽の調整と気血の整流がなされる。
・特に、腎と肝の連携、腎と膀胱の気化作用に密接に関係し、
女性では“月経の調和”に極めて重要な働きをする。
・「胞宮の気」が動き出す経路であり、子宮とのエネルギー的接点ともされる。
精神・エネルギー的意味
・「次髎」は、**心と身体の深部を再び繋ぎ直すツボ**。
・身体の“奥”にあった冷えや緊張、抑え込んでいた感情が、
このツボの刺激によって「ほどけていく」ような感覚が生まれる。
・特に、「女性性の否定」や「母性へのブロック」、「性的な記憶の抑圧」などが、
無意識に仙骨周辺で蓄積されていることが多く、
**次髎はそうした滞りの“出口”をつくるポイント**となる。
臨床応用
・次髎 + 中膂兪 + 関元:婦人科疾患の体質改善や体内温度調整に
・次髎 + 三陰交 + 太谿:腎陽虚による冷え性・頻尿・夜尿に
・次髎 + 上髎 + 命門:精神的な疲弊、性的なトラウマへの緩和
セルフケア・生活応用
・「下腹部が冷えていて眠れない」「骨盤が締まらない感じがする」
そんな時は、就寝前に次髎周辺を温灸や指圧で穏やかに刺激すると良い。
・ストレスにより仙骨部の可動性が落ちているときには、
次髎の周囲に呼吸を通すイメージで、**丹田呼吸と組み合わせた体操**が効果的。
→中髎(ちゅうりょう)
←上髎(じょうりょう)
→足の少陰腎経
←手の太陽小腸経
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