顎関節症 心理社会的ストレスモデル
英語
Psychosocial stress model
もくじ
執筆者
認知的評価
ある出来事がストレスとなるかどうかは個人の物事の受け止め方や価値観、生活スタイルによって異なる。
個人にとっても、出来事のタイミング、状況の理解、その時の気分や体調によりストレスの度合いは変化する。
心身の不調のもとになるストレスのプロセスは、一時的評価と二次的評価がある。
一時的評価は、ある出来事や状況に対する脅威で、例えばこれは私にとって有害であるかもしれないと感じることである。
二次的評価は、ある出来事や状況に対する対処可能性の評価で、例えばこれは私にはどうしようもないことかもしれないと感じることである。
情動的反応
何らかの恐怖を感じた時、自分ではうまく対処できないのではないかと感じた結果、気分が落ち込む、不安、イライラ、腹立たしくなる、などの情動反応が起こる。
この反応により、自分がストレス状態にあることを意識し、その不快な状態に対処しようとする反応。
コーピング(対処)
コーピングとは、不快な情動反応を軽減するための試み。
コーピングには問題焦点型と情動焦点型の2種類がある。
問題焦点型は、問題の所在を明らかにして、解決のための方策を立て、実行しようとする試み。
情動問題焦点型は、不快な情動を低減させるために、直面している問題から目をそらし、気晴らしをしたりする試み。
ストレス反応からの疾患
コーピングがうまく機能せずにストレス状態が維持されると、心身に様々な反応が現れます。
自信がなくなり、思考力が低下し、無気力になるなどの認知的行動的反応が現れたり、
体調が悪く、風邪をひきやすくなり、胃腸が痛くなるような身体的反応が現れることもあります。
ストレス状況は身体を緊張させ、慢性的な緊張となり、身体の痛みとしても現れてくることがあります。
これらは、ストレス状況にさらされた人間の信心が示す自然な反応です。
この反応に従って休息を取る、仕事を減らす、などの方向性が求められます。
反対に、痛み止めや、抗アレルギー薬、栄養ドリンクなどで無理をして、そのままの生活環境で放置しておくと、心身症などの疾患にかかる危険性が高くなります。
(Lazarus and Folkman 1984 一部改変)
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参考文献
カウンセリングで治す顎関節症
(著) 黒江 和斗,永田 順子
医歯薬出版
2004/4/1
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