あごの痛み(咀嚼筋腱腱膜過形成症)
英語
jaw pain
あごの痛み(咀嚼筋腱腱膜過形成症)
開口障害には、痛くて口を大きく開けられない、硬いものを噛むとあごが痛い、エラが張っていて以前から口が開きにくい、歯医者さんで口が開あけにくく治療が困難、などの症状がみられます。
これらは顎関節症(がくかんせつしょう)を疑わせる特徴的な症状ですが、開口障害は、主に関節に問題がある顎関節症とは区別して診断することも大切でしょう。
これまで、歯科の領域では開口障害を顎関節症という枠の中でひとくくりにされてしまうケースが多く、顎関節周辺組織の変性などの考慮はあまりされないまま、顎のかみ合わせの調整のための装具(マウスピース)や歯科矯正、顎関節の手術等がおこなわれる傾向がありました。
最近では咀嚼筋周辺組織が過形成をした結果、開口障害に至ることが確認されています。
治療法は咀嚼筋の腱や腱膜の切断手術のみとされ、場合によっては周囲の骨を除去することもあるそうです。
手術をしても再発する報告が多数あるようです。
開口障害の主な症状は、あごを動かす筋肉や耳の前下部にある顎関節周辺の違和感と、口が開きにくい、噛みにくいなどの運動障害です。一般的には指3本(人さし指・中指・薬指)が縦に入るのが正常で、入らないばあいは何らかの問題があるとされています。
考えられる問題は顎関節症(関節円板の位置異常)、顎関節周囲の骨の形態によるもの、咀嚼筋周辺の異常などです。
初期の開口障害は一時的なものが多く、しばしば周期的に現れるようです。症状が起きる背景には、わるい噛み合わせ(不正咬合)が深く関係していると言われてきましたが、最近の研究はこの考えに異議を唱えています。
精神的あるいは身体的ストレスが、顎関節周辺の問題の要因になっているのではないかと考える研究者も増えています。
これらには、仕事や家庭でのストレス、不適切な姿勢、睡眠障害、習癖、精神的なストレス、無理なダイエット、不摂生などが含まれます。
ストレス社会を背景に、開口障害の患者は急増し、激しく歯を食い縛って(ブラキシズム)歯が欠けてしまう方も増えているようです。
歯ぎしりの予防を目的とするマウスピースを処方される場合も多いのですが、なかなか解決できていないのが現状でしょう。
その他、片頭痛や腰痛等が併発するケースも多く、慢性化して自律神経症状などに発展すると、歯科以外を受診するようになる場合も見受けられます。
脳神経外科、精神科、心療内科等で精神安定剤等の処方を受けたり、整形外科やペインクリニック等で痛み止めや筋弛緩剤(きんしかんざい)等の治療をつづけたりしているものの、回復の兆しが見えずにいる方もおられるようです。
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咀嚼筋腱腱膜過形成症