橋本病と抗核抗体と膠原病の関係
英語
Relationship between Hashimoto's disease, antinuclear antibodies, and collagen disease
【橋本病と抗核抗体と膠原病の関係】
抗核抗体が陽性であるからといって膠原病が発病するわけではありません。
抗核抗体が陽性であるというだけの理由で、膠原病の薬を処方されていた方がいる話を聞いたことがあります。
抗核抗体が陽性であり、膠原病に当てはまるような症状があり、抗体の値がきわめて高い場合は、詳しい検査を受けて、膠原病の診断基準に当てはまるか確かめてください。
自分の細胞の核に対する自己抗体を抗核抗体とよびます。
抗体は本来、ウイルス、細菌、花粉などの異物(抗原)を攻撃して処理するものですが、自己抗体は、自分の細胞を攻撃してしまう特徴があります。
膠原病の方の約7割以上は抗核抗体が陽性になるといわれています。
膠原病ではない健康な人でも約2割は抗核抗体が陽性になるといわれています。
橋本病やバセドウ病の方の約6割は抗核抗体が陽性になるといわれています。
抗核抗体が陽性イコール膠原病ではなく、一生発病しなければ膠原病ではありません。
橋本病やバセドウ病の方が膠原病を発病する確率は、健康な人に比べると少し高いぐらいで、ほとんどの方は発病しない報告もあるようです。
橋本病やバセドウ病は自分の甲状腺という特定の臓器を攻撃してしまう病気ですが、これは膠原病ではありません。
膠原病は、皮膚、血管、筋肉、関節など全身の臓器の結合組織が障害される病気です。
抗原抗体の40倍未満が陰性で、40倍以上が陽性です。
健康な人の抗原抗体が陽性の場合は、40~80倍程度です。
膠原病の方の抗原抗体が陽性の場合は160倍以上です。
抗原抗体反応が陽性でも、発病していなければ、膠原病ではありません。
膠原病を発病しないうちから「予防という名のもとに」、ステロイド薬等を延々と処方されているような場合は、一度セカンドオピニオンを受けることをおすすめいたします。
ステロイド薬は副作用がとても強い薬なので、長期間使用すると、別の病気に発展してもおかしくありません。
本当に必要なのかどうか、しっかりと確かめることをお勧めします。
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関連外部リンク
[Relation between autoimmune thyroid diseases and connective tissue diseases]
National Institutes of Health (.gov)
Chapter 30Thyroid disease and autoimmune diseases
National Institutes of Health (.gov)
Exploring Systemic Autoimmunity in Thyroid Disease Subjects
Hindawi