妊娠中の検査でTSHが高い。

英語

TSH was high during pregnancy test.

【妊娠中の検査でTSHが高い。】

妊娠初期にTSHが2.5U/mL以上の場合に流産の率が高くなるという報告があります。

検査機関で異なりますが、妊娠初期のTSHの正常値はTSH 2.5～3.0μU/mL未満です。

近い時期に妊娠を予定している人は、あらかじめTSHを2.5U/mL未満にしておくべき、との考えがあり、

多くの医療機関では甲状腺ホルモン剤の服用を勧めます。

TSHは脳からでるホルモンで、甲状腺に甲状腺ホルモンを出させる役割をするので、

甲状腺ホルモンが十分に出ていれば、TSHは低くなるからです。

ただし、甲状腺ホルモン量を高めたから、流産の確率が低下するかどうかは証明されていないようです。

ヨードの過剰摂取は血液検査に影響します。

血液検査の前に

a. 海藻類を多く食べたり、飲んだりした。

b. イソジン®︎でうがいうがいした。

c. 子宮卵管造影検査を受けた。

上記の影響でTSHの値が高くなることがあります。

ヨードは甲状腺ホルモンの原料ですが、過剰に摂取すると甲状腺の働きを弱めてしまうためです。

ヨード摂取を控えて再検査を受けることをおすすめします。

TSHの基準値

(基準値は施設ごとに異なります。以下は参考値です。)

通常TSH0.500～5.000 μIU/mL

妊娠初期ではTSH 2.5～3.0μU/mL以下

妊娠中・後期ではTSH 3.0～3.5μU/mL以下

FT4基準値
(基準値は施設ごとに異なります。以下は参考値です。）

基準値FT4：1～1.7 ng/dL

基準値FT3：2～4pg/mL

妊娠時FT4基準値
妊娠~11週 0.55~2.4(2.7)ng/dL

12~14週 0.5~2.2(2.5)ng/dL

15~19週 0.5~1.7(1.4)ng/dL

20週以降 0.45~1.6(1.8)ng/dL

()内はAMC,ATG陰性時適応

身体は、甲状腺機能が多少低下しても、脳下垂体からTSHを多めに分泌して、血液中の甲状腺ホルモンの値を正常に保とうとします。

妊娠初期は、胎盤からヒト絨毛性ゴナドトロピン（hCG）というホルモンが多く作られてます。

hCGはTSH様の機能があり、甲状腺に働いて、甲状腺ホルモンの分泌促進をするので、妊娠初期のTSHの数値は低下します。

つまり、妊娠中TSHの数値が高いというのは、妊娠前の数値はさらに高かったことが予想されます。

実際には、TSHの値が10 μIU/mLまでは十分に甲状腺ホルモン値は正常範囲にとどまるのであまり心配しないでも大丈夫という意見もあります。

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