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橋本病・バセドウ病

甲状腺機能低下症の鍼治療

英語

Acupuncture for hypothyroidism

甲状腺機能低下症の鍼治療

甲状腺機能低下症の鍼治療

甲状腺機能低下症

甲状腺ホルモン(T4)(FT4)値は正常、甲状腺刺激ホルモン(TSH)が高値と診断された。

潜在性甲状腺機能低下症の可能性があります。

「甲状腺から分泌される」
甲状腺ホルモン
サイロキシン(T4)
遊離サイロキシン(FT4)

「脳から分泌される」
甲状腺刺激ホルモン(TSH)


潜在性甲状腺機能低下症とは
潜在性甲状腺機能低下症とは、甲状腺ホルモンは基準値内ですが、脳から分泌されるTSHが基準値上限を超えて高値を示す状態です。

甲状腺の機能が低下してきて、甲状腺ホルモン(T4)(FT4)の分泌が少なくなってくると、脳の視床下部や下垂体という部分から「甲状腺ホルモンの分泌が少なくなっているので、もう少し頑張ってくださいと甲状腺に命令するホルモン(TSH)がでます。

この、もう少し頑張ってくださいと甲状腺に命令するホルモン(TSH)がたくさん出ているおかげで、現在は甲状腺ホルモン(T4)(FT4)の分泌が正常に行われている状態です。

つまり、甲状腺の機能が低下している可能性のある状態ということなのです。


顕性甲状腺機能低下症とは
顕性甲状腺機能低下症とは、潜在性甲状腺機能低下症の状態では、もはや甲状腺がもたなくなってきている状態です。

脳から頑張ってくださいと甲状腺に命令するホルモン(TSH)をたくさん分泌しても、甲状腺が疲れ果ててしまい、甲状腺ホルモン(T4)(FT4)の分泌が低下してしまっている状態です。

まとめ

健常
甲状腺ホルモン(T4)(FT4)が基準値
刺激ホルモン(TSH)が基準値

潜在性甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモン(T4)(FT4)が基準値
刺激ホルモン(TSH)が基準値以上

顕性甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモン(T4)(FT4)が基準値以下
刺激ホルモン(TSH)が基準値以上



甲状腺機能低下症とは
甲状腺機能低下症とは、潜在性甲状腺機能低下症と顕性甲状腺機能低下症を含めた、甲状腺機能が低下している症状のことです。

潜在性甲状腺機能低下症の数値を示す事がある状態
甲状腺機能に関わりなく、高齢者ではTSHの正常上限が高くなることがあります。

その他、一過性の甲状腺炎、うつ状態、ヨード過剰摂取、など。

また、薬物治療中の方や、不妊治療中に潜在性甲状腺機能低下を示すことがあります。

甲状腺機能低下症とは



甲状腺機能低下症の背景にある橋本病
橋本病とは
橋本病とは、慢性甲状腺炎のことです。

免疫が自分自身の甲状腺の正常細胞を攻撃してしまう自己免疫疾患のひとつです。

中年女性に多く、甲状腺は慢性的に炎症を繰り返しているため硬く腫大しています。

さらに変性や破壊が進むと甲状腺は萎縮し、甲状腺機能低下症を呈します。


甲状腺機能低下症で検査する自己抗体とは
免疫が自分自身の正常細胞を攻撃してしまうのが自己抗体です。

甲状腺機能低下症で検査する自己抗体は、抗サイログロブリン(Tg)抗体抗甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)抗体があります。

Tg抗体は自分の甲状腺の蛋白であるサイログロブリンに対する自己抗体です。

TPO抗体は自分の甲状腺ホルモンを合成する酵素に対する自己抗体です。

Tg抗体・TPO抗体は健常者、特に女性で陽性を示すことがあります。

Tg抗体・TPO抗体が陽性だからといって橋本病を含めた甲状腺機能低下症であるとは言い切れません。

橋本病では90%以上でTg抗体あるいはTPO抗体が証明されます。

潜在性甲状腺機能低下症は、TPO抗体陽性では年約4%の頻度で顕性甲状腺機能低下症に移行する可能性があるという報告があります。



一般的な薬物治療の基準値
機能低下症状の訴え
疲れやすく、手足がむくみ、体重増加など。

脂質異常
血中コレステロールや中性脂肪の増加

TSH≧10μIU/mL
甲状腺刺激ホルモンが10μIU/mL以上

以上の場合は合成甲状腺ホルモン(チラージンS)の補充治療をしたほうが良いとされます。

TSH<10μIU/mLでは、症状の有無、甲状腺腫の状態、自己抗体の有無、脂質異常などから判断されます。

妊娠を希望する女性もしくは妊娠女性の潜在性甲状腺機能低下症
妊娠や不妊診療では、一般とは異なる基準値で管理されます。

体外受精や顕微受精などの生殖補助医療(ART)を受ける方は甲状腺刺激ホルモン(TSH)<2.5μIU/mLが推奨されています。

自己抗体陽性かつTSHが基準以上の潜在性甲状腺機能低下症の方は流早産などのリスクが高く、治療介入がそのリスクを軽減させることから、薬物補填治療を推奨されます。

自己抗体陽性でTSH<2.5μIU/mLの場合
自己抗体陰性でTSH 2.5μIU/mL以上の場合
薬物補填の有効性は十分とはいえません。

不妊治療から出産までの間のコントロールでは、妊娠3ヵ月まではTSH≦2.5μIU/mLを保ち、以降TSH≦3.0μIU/mLを目標にしてTSHとFT4を毎月測定し補充量を調節される場合もあります。

病院治療を受けない場合も、経過観察を勧められる
潜在性甲状腺機能低下症は放置すると動脈硬化が進行し、狭心症や心筋梗塞などの心血管系の病気が増える可能性が高まるということで、定期検診を勧められるのが一般的です。

疲労感やむくみなどの自覚症状やLDLコレステロールや中性脂肪が高い場合は、検査を受けることを勧められます。

動脈硬化、狭心症、心筋梗塞などと言われると、怖くなって薬物治療を選択せざるを得ない気持ちになります。でも、選択するのは患者側の自己責任になります。


薬物補填治療の副作用
甲状腺機能低下の薬物補填治にはリスクもあります。思いがけない副作用や医原病に悩まされる事があります。

合成甲状腺ホルモン(チラージンS)
主な副作用

AST上昇 、 GOT上昇 、 ALT上昇 、 GPT上昇 、 γ−GTP上昇 、 過敏症状 、 心悸亢進 、 脈拍増加 、 不整脈 、 頭痛、肝機能検査値異常など

重大な副作用
狭心症 、 肝機能障害 、 黄疸 、 著しいAST上昇 、 著しいALT上昇 、 著しいγ−GTP上昇 、 発熱 、 倦怠感 、 血清ナトリウム低下 、 ショック 、 うっ血性心不全、副腎クリーゼ 、 晩期循環不全 、全身倦怠感 、 血圧低下 、 尿量低下 、 呼吸困難など

上記以外の報告されている副作用
神経過敏 、 興奮 、 不安感 、 躁うつ 、 精神症状 、眩暈 、 不眠 、 振戦 、嘔吐 、 下痢 、 食欲不振 、 筋肉痛 、 脱力感 、 皮膚潮紅 、 発汗、月経障害 、 体重減少など

薬物補填治療は対症療法
病院での薬物補填治療はいわゆる対症療法です。外側から補っている限り、病気そのものは改善できません。



自助努力出来る方は改善出来る可能性がある
甲状腺機能低下症は代謝を改善できれば薬物補填しなくても回復する可能性が十分あります。

自己抗体を持っていても、正常値を保たれている方は少なくありません。

病気は長年の生活習慣や心理習慣によってつくられることが多いです。


甲状腺機能低下症の鍼治療
カラダを整えて機能を促進し、鍼により免疫に働きかける治療をしながら、代謝の改善をお勧めいたします。

例:頭の機能を整えるための百会 (ひゃくえ)、気分を安定させ頭をクリアにするための天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)などをにアプローチします。

次回の病院での検査数値で、一緒に結果を出してみませんか。

免疫に働きかける治療

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関連外部リンク

Treating Thyroid Problems with Acupuncture
Family Acupuncture and Wellness

Traditional Chinese Medicine for Thyroid Disease
Verywell Health

Acupuncture for Hashimoto thyroiditis: study protocol for a randomized controlled trial
National Institutes of Health (.gov)