難聴
英語
Hearing loss
【難聴】
急性発症の難聴
メニエル病
メニエル病は、めまい、難聴、耳鳴りが反復する病気です。
耳の奥の蝸牛と言う場所のリンパ液の圧力が高まって生じると考えられています(内リンパ水腫)。
めまい、耳鳴り、難聴の発作を繰り返すのがメニエール病の特徴です。
突発性難聴
突発性難聴は、突然片方の耳が聞こえにくくなるのが特徴です。
通常は片側の難聴で反復しないのが特徴です。
朝起きたら突然肩側の耳が聞こえない、電話の声が聞こえにくい、会話の時に聞こえる方の耳を相手に向けるなどのか特徴があります。
治療開始が早ければ、ステロイド剤などの点滴で回復しやすいと言われていますが、早期にステロイド治療をすれば確実に治ると言う科学的根拠はありません。
めまいを伴う場合、難聴の度合いが高い場合などは、回復しにくい傾向があると言われています。
音響外傷の難聴
スピーカーの大音響、ヘッドホンの大音響、爆発音などの強い音響により、耳の奥の内耳の有毛細胞に障害をきたし耳が聞こえなくなるものを音響外傷と呼びます。
外傷性鼓膜穿孔
がいしょうせいこやまくせんこう
外傷性鼓膜せん孔は、耳かき棒や平手打ちなどで、耳の奥の鼓膜が破れて音が聞こえなくなるものです。
外傷性耳小骨離断
外傷性耳小骨離断は、平手打ちや事故などで、耳の奥の耳小骨の連鎖が離断することにより音が聞こえなくなるものです。
急性感音難聴
急性感音難聴は、低音域だが聞こえにくくなるもので、低音型突発難聴、低音障害型急性感音難聴などと呼ばれます。
耳が詰まったような感じがし、低い耳鳴りが生じたり、音が割れたり、自分の声が響いたりします。
急性感音難聴はメニエル病と同様に内リンパ水腫により難聴が生じると考えられています。
遅発性内リンパ水腫
遅発性内リンパ水腫は、以前にどちらかの耳に感音難聴があった方が、数年から数十年後に、同側もしくは対側に、難聴、耳鳴り、めまいを起こすものです。
自己免疫反応の関与が推測されています。
外リンパ漏
原因不明、平手打ち、くしゃみ等をきっかけに、耳の奥の内耳から、リンパ液が漏れるものを外リンパ漏といいます。
外リンパ漏は突然難聴とめまい吐き気などが起こります。
一般的にはステロイド剤の点滴による治療を行いますが、改善が見られない場合は、リンパ液の漏れる穴を塞ぐ手術をする場合もあります。
薬物性難聴
薬物治療に使われる薬剤で内耳に障害を起こし難聴になった場合は、薬物性難聴といいます。
薬物性難聴を引き起こす薬には、抗生物質、痛み止め、利尿剤、インターフェロン、抗がん剤などが挙げられます。
薬物性難聴は、耳鳴り、めまい、吐き気などの平衡障害を伴うこともあります。
ウイルス性内耳炎
おたふく風邪(ムンプスウィルス)などに罹患して、高熱を出した場合、ウイルス性内耳炎により、感音難聴になることがあります。
子供が風邪をひいて高熱が出て、寛解した後に耳が聞こえにくいと言ってわかることが多く、聴力の回復が困難である場合も少なくありません。この場合、ウィルス性内耳炎による難聴なのか、解熱剤による薬物性難聴なのかは疑問が残ります。
聴神経腫瘍
聴神経腫瘍の多くは、耳の奥の前庭神経から発生する腫瘍で、良性腫瘍が多く、進行すると難聴、耳鳴り、顔面神経麻痺、脳幹圧迫、頭蓋内圧亢進、などに発展し、脳神経の1部に悪影響を及ぼすことがあるため、外科手術や放射線治療が必要となることもあります。
機能性難聴
機能性難聴は心因性難聴とも呼ばれ、聴覚伝導路には障害がなく、聴力検査では難聴を示します。
精神的ストレスが原因で起こる心身症の一種として捉え、聞こえにくいふりをする詐聴とは区別します。
急速進行性感音難聴
急速進行性感音難聴は階段状に聴力の悪化をきたします。原因は不明です。
反復性、変動性の難聴
反復性、変動性の難聴は、周期的に難聴の寛解と増枠を繰り返します。
メニエール病、遅発性内リンパ水腫、機能性難聴、急速進行性感音難聴などに見られます。
自己免疫性難聴も反復性、変動性が見られます。自己免疫性難聴はリウマチや膠原病等と同様に、自己免疫機序の関与が考えられます。
自己免疫反応は、体調や季節によっても変動があるので、同様に聴力も変動することがあります。
徐々に進行する難聴
耳硬化症
耳硬化症は、耳の奥の音を伝える骨の1つのあぶみ骨が徐々に動きにくくなり難聴になるものです。
徐々に感音難聴も加わってきます。
老人性難聴
老人性難聴は、加齢により耳の奥の内耳有毛細胞や、蝸牛神経などに老化が起こり、聞こえにくくなるものです。
老人性難聴は、一般的には両耳とも同じ程度で難聴が起こり、耳鳴りを伴うこともあります。
騒音性難聴
騒音性難聴は、長期間大きな音にさらされることで生じます。
工場内、パチンコ店内、工事現場等の騒音に長時間、長期間さらされることで難聴を起こします。
騒音性難聴は聴力検査で4000ヘルツの障害が顕著に見られることが特徴です。
慢性中耳炎
子供の頃より中耳炎を繰り返し、耳漏などが頻繁に起こり、徐々に難聴になっていくのが特徴です。
中耳真珠腫
慢性中耳炎を繰り返すことで、耳の奥に真珠のような腫瘍ができることがあります。
中耳真珠腫は、めまい、顔面神経麻痺をおこすこともあります。
耳管狭窄症
耳の奥の中耳と呼ばれるところは、耳管と呼ばれる管でのやどと繋がっていて、中耳の圧力を調整しています。
この耳管がなんらかの原因で塞がることで、気圧の調整がうまくいかずに難聴になります。
中耳の気圧が低いままになってしまいます。
耳に膜が張ったような、耳が詰まったような感じが持続し音が聞こえにくい状態が続きます。
滲出性中耳炎
中耳分泌液が個室内に貯留したまま炎症を起こしてしまう状態を滲出性中耳炎と呼びます。
耳管の狭窄により、中耳が陰圧になるため、分泌物が咽頭に流れずに、中耳に貯留した状態で、炎症が引き起こされます。
子供に多く、テレビの音量が大きい、声をかけても返事をしない、などで発見されることが多いです。
先天性奇形
先天性耳小骨連鎖離断など、生まれつきの奇形によるものもあります。
耳管開放症
耳の奥の鼓室という部分と、喉の咽頭は、耳管によってつながっていて、開いたり閉じたりして耳の中の圧力を調節しています。
この耳管が、開いたままになってしまう状態を耳管開放症と言います。
耳管開放症の症状は、耳が塞がった感じや、自分の声が響いて聞こえる、などがあります。
難聴の鍼灸、整体、マッサージ
臨床で使用する経絡・経穴(ツボ)の例:
天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)、百会(ひゃくえ)、聴宮(ちょうきゅう)、角孫(かくそん)など。
※市販の「お灸」をする時の参考としても使用できます。
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関連外部リンク
Types of Hearing Loss
Centers for Disease Control and Prevention
Deafness and hearing loss
WHO
Hearing loss
Mayo Foundation for Medical Education and Research (MFMER).