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脳髄鍼


脳髄鍼

英語

Cerebrospinal Acupuncture

Brain acupuncture

脳髄鍼

脳神経は神経系、免疫系、内分泌系など心身の恒常性を保つ総司令部です。

脳髄鍼


脳や脊髄神経は脳脊髄液につつまれています。脳脊髄液は絶えず循環していれかわっています。

脳脊髄液の循環障害はさまざまな病気を誘発するといわれています。それは、きれいな川の中にいる生物と、循環不良の川の中にいる生物のイメージからも当然といえるでしょう。



脳脊髄液は頭蓋骨と頸椎でつくる関節、腰椎と仙骨でつくる関節のポンプ作用などによって循環が促されているといわれています。

つまり首と腰の動きに何らかの問題が生じると、このポンプ作用がうまく働かずに、脳脊髄液の循環が低下してしまう傾向にあるのです。

それはまるで、建てつけの悪くなった家のドアの開け閉めがスムーズにいかなくなってしまったようなイメージです。



脳脊髄液の循環が低下すると、脳や脊髄、それらを覆う脳膜や脊髄膜の代謝が低下するので、免疫力が下がり脳膜炎や髄膜炎などのさまざまな問題が生じやすくなることが考えられます。

なぜなら脳脊髄液中の総蛋白は、血液髄液関門の存在により血液に比べると低いものの、血漿に由来するアルブミンや免疫グロブリンが存在するからです。

ポンプ作用がうまく働かない状態のまま抗炎症剤などで炎症を治めても、効果は一時的になることも多く、繰り返し解熱鎮痛剤などを使うことは、生体にとっての負担となります。

そこで、先ずはストレッチや体操などにより全身の建てつけを本来のかたちに近づけて、頭蓋骨と頸椎、腰椎と仙骨の動きを取り戻します。



脊椎の関節の動きがついたところで、背骨に連なる脊柱起立筋群をウォーキングなどにより刺激することで、脳脊髄液の循環を促します。

改善に補助が必要な方には、鍼灸をおすすめ致します。

鍼灸では最初に、徒手整復により全身の建てつけを本来のかたちに近づけて、頭蓋骨と頸椎、腰椎と仙骨の動きを取り戻します。

脊椎の関節の動きがついたところで、背骨に連なる脊柱起立筋群を鍼灸により刺激することで、脳脊髄液の循環を促します。

脊髄腔や脊髄膜に直接鍼を刺すのではなく、脊椎周辺の筋肉の動きによって、ポンプ作用を促していくものです。

脳がきれいな脳脊髄液のなかで活動しやすい環境づくりです。



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