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腰奇(ようき)EX-B9 |

英語
Extra points-Back
EX-B9
Yao Qi
Waist Strange,Lower Back Rare
奇穴
腰奇(ようき)
Youki
取穴部位
尾骨尖(尾骨の先端)より上方2寸。尾骨中央のやや上部に位置し、仙骨部の正中線上に取る。皮下には浅後仙尾靭帯が走行し、尾骨から仙骨へ移行する構造の張力を調整しやすい部位である。
取穴方法
伏臥位で、両臀部の緊張を緩めてから触診する。尾骨尖を確認し、そこから指2横指程度を上にたどって正中に取穴する。細い鍼を浅刺で行うのが望ましく、刺入方向は尾骨から仙骨へ向かう軽い角度をつけると周囲の靭帯性緊張が緩みやすい。強刺激は避ける。
筋肉・靭帯
浅後仙尾靭帯、深後仙尾靭帯、仙結節靭帯の上部線維
(※尾骨には筋腹は少なく、靭帯性組織が主となる)
運動神経
尾骨神経叢(Coccygeal plexus)の微細枝
知覚神経
仙骨神経後枝(S3–S5)、尾骨神経の皮枝
血管
下殿動脈の仙骨枝、正中仙骨動脈の末梢枝
主治
・慢性の頭重・頭痛(特にストレス性の締め付け型)
・不眠、寝つきの悪さ、交感神経過緊張による入眠困難
・便秘(骨盤底の緊張による排便反射の低下に)
・てんかん発作後の精神的緊張の緩和
・尾骨周囲の違和感、締め付け感
・情志の抑圧による「下焦の鬱滞」症状の調整
名前の由来
「腰奇」の“奇”は“正経では説明しきれない働きを持つ特別な穴”を意味する。
尾骨は“身体の最深部の門(玄関)”とされ、上焦・中焦の余分な気が沈みきらず滞ると尾骨周辺に“奇妙な違和感・緊張”として現れると考えられた。
そこで、この停滞をほどき心神を静める作用を持つ経穴として「腰奇」と名付けられた。
その他の重要事項
・尾骨は身体の“交感神経の最終端の緊張を反映しやすい部位”であり、ここが硬くなると頭頸部の余剰緊張を処理できなくなる。腰奇はその「逃げ場」をつくる役割を持つ。
・不眠や頭痛に用いるのは、中医学的には「督脈の詰まりが清陽の昇降を妨げる」ためで、尾骨側をゆるめることで督脈の流れを末端から調整する意味がある。
・精神的な我慢、抑圧を長期間続けた人ほど触れると固さが強く、施術後にため息や深呼吸が自然に出ることが多い。
・便秘に用いるのは、骨盤底の緊張緩和+副交感神経の反射調整が同時に働くため。

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