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経絡・経穴(ツボ)

夾脊(きょうせき)(華佗夾脊:かだきょうせき)EX-B2

英語
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EX-B2
Hua Tuo Jia Ji
Flower Tuo Pinching Spine

奇穴

夾脊(きょうせき)
Kyouseki

別名
華佗夾脊(かだきょうせき)

取穴部位
第1胸椎(T1)から第5腰椎(L5)まで、 各椎骨の棘突起の下縁から**外側0.5寸(約1cm前後)**に取る。 左右で1対、合計17対の奇穴。 触診では、棘突起のすぐ外側に「細長い浅い溝」があり、そこが脊柱起立筋の外縁であり、夾脊穴のラインとなる。 押圧すると、神経反射のため関連臓腑へ響くことが多い。

筋肉 脊柱起立筋(最長筋・腸肋筋)
多裂筋

運動神経 脊髄神経後枝


知覚神経 脊髄神経後枝(内側枝・外側枝)
肋間神経(胸部)
腰神経後枝(腰部)

血管 肋間動脈(胸部)
腰動脈(腰部)
深頚動脈(上位胸椎部)

主治 T1–T4:肺・上肢の疾患(咳、喘息、肩こり、上肢のしびれ)
T4–T7:心臓・胸部の疾患(動悸、息苦しさ、胸痛)
T7–T10:肝・胆・脾・胃(脾胃虚弱、胆のうの不調、腹満、側腹痛)
T10–T12:胃・脾・腸(胃痛、便秘、下痢、腸の緊張)
L1–L2:腎・泌尿器・下肢(腰痛、むくみ、下肢のしびれ)
L3–L5:膀胱・大腸・子宮・下肢(月経痛、骨盤痛、坐骨神経痛)

全体として、
・自律神経バランスの調整
・五臓六腑の調和
・内臓機能の反射的活性化 に優れる。

名前の由来 「夾脊」とは、
“脊(せき)を夾(はさ)む”=背骨の両側に位置することから名付けられた。

別名「華佗夾脊」は、
三国志の名医・華佗(かだ)が創案したと伝わることに由来する。

華佗は、脊髄から分岐する神経が全身の臓腑・筋肉に影響することを経験的に理解しており、
「背骨の際に17対の要穴を置けば、五臓六腑すべてに通じる」
と説いたとされる。

その他重要な事柄
・夾脊は、自律神経(交感神経)の走行部に直接アプローチする唯一の奇穴群。
刺鍼すると、関連臓腑へ「響き」が伝わりやすく、臓腑機能の調整に極めて有効。

・腰部の夾脊は、腸腰筋・大腰筋の緊張改善に役立ち、
坐骨神経痛・骨盤内臓の血流改善にも用いられる。

・胸椎下部〜腰椎上部は「横隔膜の支配神経域」と重なるため、
腹式呼吸の改善・過緊張の緩和にも使える。

・中医学では、夾脊は
督脈の補助ルート・背部兪穴の連絡線として機能し、
「背の気の流れ(背気)」を整えることで
全身の陰陽バランスを再構築すると考える。

・体力の弱い患者では、押すだけで
「内臓の奥にズーンと響く感覚」
が生じることがあり、これは神経節の反応によるもの。

奇穴 華佗夾脊

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