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郄門(げきもん) |
郄門は、“心の閉塞”に風穴を開ける 非常口のような存在です。
英語
Pericardium(PC)4
Xi Men(Xi Cleft Gate)
郄門(げきもん)(郄穴)
手の厥陰心包経4
The Pericardium Meridian of Hand-Jueyin
郄門
げきもん
gekimon
取穴部位
手関節中央の大陵穴から肘の曲沢穴に向かって上に5寸。
橈側手根屈筋と長掌筋の間に触れるやや深いポイント。
筋肉
橈側手根屈筋、長掌筋
運動神経
正中神経
知覚神経
内側前腕皮神経、外側前腕皮神経
血管
前骨間動脈

主治(臨床応用)
・心痛(突発的な胸の痛み)
・動悸、パニック、不安症状
・胃痛、嘔気(心包と胃の連携不和によるもの)
・前腕の痛みやしびれ
・月経痛、特に精神的ストレスに伴うもの
▶ 「感情の嵐」による急な症状に即効性を発揮する、“緊急の門”。
名前の由来(オリジナル解釈)
「郄(げき)」とは“裂け目”や“深く切れ込んだ谷”を意味し、「門(もん)」は“通じる通路”を表す。
つまり「深い裂け目に設けられた出入口」。
これは、突発的な内圧(心の高ぶり、感情の過剰)を素早く排出する“逃げ道”を象徴している。
▶ 心の奥深くに生まれた激しい波動は、郄門という緊急脱出口から静かに放たれる。
象徴的な意味・精神的意義
・「深層にアクセスする“非常口”」
・ストレスや悲しみなど、言葉にならない感情が「噴き出す前に通す場所」
・身体の痛みと感情の痛みが交差する場所。
▶ 郄門は、心の叫びに応える“沈黙の門”である。
臨床応用のヒント
・過呼吸やパニック障害の発作時、軽い指圧でも呼吸が整うケースあり
・月経前後の「イライラ+胸苦しさ+吐き気」はこの一点で緩和されることも
・「心と胃が繋がって乱れている」症状(食欲不振・胸やけ・げっぷ)にも意外と効果的
セルフケア・養生法
・感情を抑え込みすぎて眠れない夜、軽くこの部分を温めながら深呼吸すると、感情の解放を促す
・緊張が強い人は、昼間に10秒程度この部分を左右交互に押すだけで、心拍数が下がる体験も
詩的な表現
・「言葉にならぬ想いが、静かに抜けていく門」
・「怒りも不安も、この郄に隠れて流れていく」
・「身体の奥底にある傷、その出口が郄門」
▶ 心の裂け目に光を差す門、それが郄門。
▶ 出口の見えない苦しみに、一条の道を開く。
→間使(かんし)
←曲沢(きょくたく)
→手の少陽三焦経
←足の少陰腎経
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